先日、テレビ金沢「となりのテレ金ちゃん」で紹介された、金沢駅西口FOODCLUBのNOGIパウダー。一体どんなパウダーなのでしょうか?仕込み作業を見せてもらえるという事でお話を伺ってきました。
NOGIパウダーとは23種類の素材を使ったミックススパイス。
製作者の野岸シェフは、ある日青山シャンウェイの毛沢東パウダーに出会い、自分が得意とする南米版のミックススパイスを作ってみたいと思ったそうです。
三種のメキシコ産唐辛子が要!
NOGIパウダーのレシピ
旨味を増そうと唐辛子のチポトレを増やしたら、チポトレのスモークの香りがきつくなってしまったり…と何度も何度も試行を重ね、ついに完成したNOGIパウダー。
原材料は以下の23種類。さまざまな料理で幅広く使えるようにと研究を重ねるうちに、スパイスの数が20を超えてしまったといいます。
生パン粉、粉糖、昆布茶、チキンコンソメ、カイエンペッパー、マスタードパウダー、からし粉、オニオンパウダー、ジンジャーパウダー、セロリパウダー、ガーリックパウダー、、クミン、コリアンダー、パプリカパウダー、チポトレ、チレワヒージョ、チレアンチョ、ブラックペッパー、ひまわりオイル、フライドオニオン、フライドガーリック、カシューナッツ。
まずは順に計量していきます。
食感の決め手となるのがパン粉の分量なのだそうです。
唐辛子は種を抜き、細かくなりすぎない様に調整しながらミルグラインダーで粉砕します。
唐辛子はメキシコ産のチポトレ、チレワヒージョ、チレアンチョの三種類を使用。どれも辛味の為ではなく<香りと旨味>の為にセレクト。
特にチレワヒージョは唐辛子なのに昆布のような匂いがします。唐辛子は多くのグルタミン酸を含んでいて、メキシコでは乾燥させた唐辛子で出汁をひく調理法もあるようです。
続いて全てのスパイスを粉のダマがなくなるまでしっかりと混ぜていきます。
途中でひまわりオイルを入れ全体に馴染むまで再度混ぜます。
均等に馴染んだらオーブンで低温ロースト。
湿気がなくなりパラパラになるまで10~15分おきに混ぜながら繰り返しローストします。
この時、温度が高かったり、一度のロースト時間が長いと、焦げた香りが出てしまい台無しに。
水分が完全に飛んでしまうギリギリのタイミングでフライドオニオン、フライドガーリック、カシューナッツを入れ最後にもう一度低温でロースト。
この日は最初のロースト開始から1時間ほどで完成。
開始時(写真上)に比べて色が濃くなり、若干赤味が増した模様です。
火を入れすぎると香りが飛び食感も変わってしまう為、総量や季節によりロースト時間は毎回変えているとのこと。
野岸シェフ曰く「一番こだわったのは香り」との事。
言葉通り、この日もキッチンには食欲をそそる香りが漂っていました。
FOODCLUBでは「ザクザクスパイス・フライドチキン」そして「季節野菜のザクザクスパイス」と、NOGIパウダーをふんだんに使ったメニューを提供中。
私も早速「季節野菜のザクザクスパイス」をオーダーしてみました。
塩分は控えめですが、香りで食が進みます。何よりも素揚げ野菜がまとったパウダーの、名前のとおりザクザクとした食感が気持ちいいです。器に残ったNOGIパウダーはスプーンですくいながらおつまみに。さらにお酒が進んでしまいました。
日本で一番有名なミックススパイスといえば七味唐辛子でしょうか。
何となくスパイス=辛いというイメージを持っていたのですが、NOGIパウダーは違いました。
そのまま食べても美味しく、いろんな料理に合わせてみたくなります。
野岸シェフ自身が様々な食事と合わせてみた結果、実は個人的に一番ハマったのは『日清のカップヌードル』だったそうです。(それは是非試してみたい!)
販売が待ち遠しいNOGIパウダーです。
歳を重ねるにつれしみじみと思うのですが、私の母は料理が得意ではなかったと思います。手抜きをするわけでもなく、特別に凝るわけでもない母の手料理。それでももし死ぬ前に何が食べたいか?という質問をされたら、私は即こう答えます。
母の豚の生姜焼きです。