初めてやったゲームを覚えていますか?
私が小学生の頃はファミコン本体が欲しければこのソフトも買いなさいという
抱き合わせと呼ばれる悪質な商法が存在していました。
キングスナイトという強制スクロールのシューティング。
そしてBボタンを押すと武器が無くなってしまう悪戯な仕様のB-WINGS。
この二本が私の初めてのゲーム体験でした。
ファミコンのソフトはどれも難易度が高く
ファミマガのおまけの大技林なる裏技辞典を駆使しながら
いかに楽して初期から強くなれるかを楽しんでいた記憶があります。
そして攻略本と並ぶ重要な存在が駄菓子でした。
小学校の正門前にある文房具店には
学校で買い食いを禁止しているにも関わらず駄菓子コーナーがあり
一回100円の予算で何を買うかが毎回楽しみでした。
腹を膨らませるためのブタメン
サラミ味と迷いつつ手に取る明太子味のうまい棒
そしてポテトフライのフライドチキン味
この三つが私のお気に入りでした。
中でも薄い油の塊に添加物を振り掛けた様なポテトフライ。
子供心ながらに体に悪そうだなと思いながらも大の好物でした。
こうしてそれぞれの駄菓子を楽しんだ後に
今日は誰の家でゲームしようかなんて放課後が懐かしいです。
四年生になり部活動が始まるとゲームの好みが変わります。
それまでの皆で攻略を楽しむ遊び方から
独り寡黙にクリアを目指すようになりました。
初めて自分の力で全面クリアしたのはドラクエ3
主人公に自身を投影できるRPGの世界にのめり込みながらも
道中は徹底して逃げ、ボス戦は会心の一撃頼みというヘタレっぷり。
2コンのマイクに向かって叫ぶと会心率が上るというガセネタを信じ
バラモス戦では喉が枯れるまで叫んでいた私を母はどう思っていたのでしょうか。
この頃になるとブタメンはスタメン落ちし
代わりにキャベツ太郎とコーンポタージュスナックが一軍入りしました。
どちらも量が多く長く楽しめるからです。
ラディア戦記というアクションRPGをやる際には
両手を自由にしながら味わえるチュッパチャップスがお気に入りでしたし
ファイアーエムブレム外伝の頃には
カルビーポテトチップスのガーリック味が攻略の友でした。
その後数多のハードとソフトを経て、現在はアプリのMMOに廃課金出来るおっさんになりました。
ゲームといえば真っ先にアプリを思い浮かべる時代になってきているのではないでしょうか。
スーパーマリオブラザーズの容量は40KB
スマホのカメラ画像は一枚約2,000KB
(ちなみにファミコンの全タイトル3,427本の総容量は339MB)
ファミコンソフトの平均価格は新品5,965円。
アプリのガチャに同額課金してもゴミしか出ない事でしょう。
うまい棒は今も変わらず10円。
しかし駄菓子屋を見かける事はまずなくなりました。
限られたお小遣いから選ぶわずかな駄菓子の楽しみを
低スペックの中に夢が詰まっていたファミコンソフトに重ねて思いを馳せます。
※画像:ドルアーガの塔
歳を重ねるにつれしみじみと思うのですが、私の母は料理が得意ではなかったと思います。手抜きをするわけでもなく、特別に凝るわけでもない母の手料理。それでももし死ぬ前に何が食べたいか?という質問をされたら、私は即こう答えます。
母の豚の生姜焼きです。