2019.06.11

原材料の違いでお酒をチョイス

三種類のバーボンの瓶

バーボンの原材料の違い

みなさんバーボンはお好きですか?
バーボンと言えば西部劇のイメージなど、強く男らしい無骨なイメージでしたが、ここ数年、タレントのローラさんをCMに起用したジムビームのハイボールや、小栗旬さんを起用したメーカーズマークなどの影響もあってか、年々バーボン消費が増えてきている気がします。

そもそもバーボンとは、主にアメリカ・ケンタッキー州で作られ、原材料の51%以上のトウモロコシと、ライ麦、小麦、大麦麦芽など穀物を原料とし、糖化・発酵させ連続式蒸留機でアルコール度数80%で蒸留。内側を焦がしたホワイトオークの新樽で2年以上熟成させたもの…と、西部劇でガンマンが荒々しく飲んでいる割に、しっかりとした定義が存在します。

ということは、バーボンと一括りで言ってしまっても、51%以上がトウモロコシで、残りの原材料の配合で銘柄ごとに味わいが異なるということです(厳密には発酵方法や樽の焦がし方など色々ありますが)。

ワインはブドウの品種によって全く違う味になる事は、ワインを飲まれない方でも想像出来ると思いますが、それと同じくらい、バーボンやラムなどのスピリッツも、原材料の違いで全く味わいが違うことを皆さんご存知でしょうか?

何銘柄もある中から自分の好み、あるいは今夜の1杯を注文する際に、原材料の違いからチョイスする。なんてことが出来たらよりお酒が楽しくなりますよ。

参考に、わかりやすい3本のバーボンを紹介します。

三種類のバーボンの瓶

原料に小麦を使ったメーカーズ

1本目は冒頭でも触れたメーカーズマーク。1本1本手作業で封蝋された赤いボトルネックが有名ですね。一般的にバーボンはトウモロコシ以外ではライ麦がよく使われますが、メーカーズマーク は小麦を使用します。

小麦を使用することによって、まろやかで口当たりが良く、華やかで甘みもあり軽い味わいとなります。バーボン特有の男らしさも味わいつつ、ロックでスッと飲み干したい時にオススメです。

トウモロコシの割合が高いI.W.ハーパー

2本目はI.W.ハーパー ゴールドメダル。ラベルに描かれたゴールドのメダルが、過去に博覧会でいくつもの金賞を受賞した証。バーボンの代名詞と言える1本です。こちらのバーボンは蜂蜜やバニラのような深みのある甘みが、とろっとした丸い口あたりで、穀物の香りが鼻から抜ける。バーボンないしウイスキーが苦手な方でも飲みやすい印象です。

ほとんどのバーボンはトウモロコシの割合が51~80% 。それに対してI.W.ハーパーはトウモロコシの割合が86%超 。定義で言うとバーボンというよりコーン(cone)ウイスキーです(コーンウイスキーはトウモロコシの割合が80%以上)。この、トウモロコシの高い割合が深みのある甘みと丸い口当たりを生み出し、水やソーダで割ってもその特徴は損なわれません。昼下がり、外でI.W.ハーパーのソーダ割りで喉を潤す休日なんてのもありかもしれません。

スパイシーなライ麦香る王道 ブラントン

3本目はブラントン。ケンタッキーダービーのダービー馬と騎手をキャップに冠した(全8種類)、ダービー馬→ケンタッキー→バーボン、と見るからにいかにもバーボンと言ったブラントン。

ライ麦の特有のスパイシーな香味と辛みのある余韻。誰もが思い描くいかにもバーボンと言った男らしい味わい。樽熟成→ボトリングの間に通常は、味の均一化をするためいくつもの樽原酒をブレンドするが、ブラントンは厳しいチェックをくぐり抜けた樽原酒を一つの樽からのみボトリングするシングルバレルバーボン。

ラベルも1枚1枚手書きで日付や樽番号などが書き込まれており、シングルバレルの誇りが感じられ、一層男らしい、力強い印象を受ける。そんなブラントンはBARのカウンターや自宅の書斎(ウチにそんなものはナイ)で、ストレートでゆっくり味わいたい。

味わいを原材料の特徴から選ぶ

このように、バーボンと言っても原材料の違いで全く違う顔を見せてくれます。僕自身、初めて飲んだバーボンがメーカーズマーク で、バーボンって美味しいなぁと単純に思えたのは、小麦の甘味と丸い口当たりのおかげだったのだと思います。

ちなみに、bourbon whiskyとbourbon whiskey と”E” がある・ない の綴りが違うものがありますが、これはスコットランド(Whisky)アイルランド(Whiskey)が差別化の為にウイスキーの綴りを変えている流れで、メーカーズマーク は創業者のサミュエルズ家がアイルランド系の移民だったため、bourbon whiskey となっています。(例外もあり)

原材料自体の個体差で特別なものを

Trois Rivieres bottles

さらに面白い(ある意味マニアックな)違いとして、こんなものもあります。

マルティニーク島のアグリコール ラム、トロワ・リビエール ( Trois Rivieres ) 。熟成していないブラン(ホワイト・ラム)ながらも、フローラルな香りと味わいのラムですが、限定品の355周年記念ボトル(1660年にサトウキビ農園を開墾)は口当たりのまろやかさ、香りの華やかさが通常のものより断然上(アルコール度数が5度高いのを差し引いたとしても)。

この華やかで飲んだ後も長く残る豊かなアロマを生みだしているのは原材料であるサトウキビの品質。所有する広大なサトウキビ農園の中でも、陽当たりの良い南側の高品質なサトウキビを使用したスペシャルボトルです。陽当たりの良い南側のサトウキビの方が糖度が微妙に高かったりするんでしょうかね?

1つの農園の同じサトウキビでも、畑の中でのサトウキビの位置で品質に差がでて、最終的に完成するラムの味わいが違うってスゴイと思いませんか?

特性を掴み自分好みのものを

バーボンでは原材料の違い(種類)でこれだけ個性が生まれ、トロワ・リビエールの限定ボトルでわかる様に、お酒を作る上で原材料の品質がいかに重要かということです(もちろん料理もそうだと思いますが)。

原材料にこだわってお酒をチョイスできる、”違いのわかるオトナ”に僕もなりたいものです。