2019.01.21

農業界にヤバい奴が入ってきちゃった!?

オキュラスリフトをつけた男が石川県農業青年大会に

先週、石川県農業青年大会というイベントに参加してきた。

農業青年というのは、主に40歳以下の農家が入会できる連絡協議会で、会員約200名で構成される歴史ある相互研鑽を目的にする会である。

今回は年に1度の大会として、1年間取り組んできた生産性UPやマーケティングの成果を発表するなどのスケジュールで進められる。

今回、僕の所属する「かほく農業青年連絡協議会」は、比較的入会間もないヒヨッコ農家が先輩農家や行政機関に向けて爽やかな青年らしい意見を発表する、「意見発表」というコマの担当になっていた。かほく農業青年は会員が20名弱と少ないので、発表者を多数決で決める際、満場一致で新規会員の僕が選ばれた。

3名の候補のうち2名の発表が終わり、会場は爽やかな雰囲気で包まれた。審査員を務めるいつもは厳しい行政機関の方々も、若手農家が夫婦で農業に向き合う話や、就農者を増やすための話などを聞いて、頬が緩むシーンが垣間見えた。

そして最後に、「お待たせしました。お待たせしすぎたかもしれません。」と僕の登場だ。

この写真でわかるとおり、僕はVRヘッドセットを着用して登壇した。僕が代表を務める、農地所有適格法人「KNOWCH(ノウチ)」が目指す”土地に縛られない農業”を説明するのに、制限時間の7分は短いと感じていたから、どうしてもパンチのあるビジュアルが必要だった。ヘッドセットを着けたまま、しばらく身振り手振りで話した後、オーディエンスの反応が見たくなった。

オキュラスリフトをつけたヤバイ男が石川県農業青年大会に

ヘッドセットを脱いで確認すると、若手農家は苦笑い、審査員である行政職員や来賓にいたっては口がアングリ開いている人もいる。顔に「かほく農業青年にヤバい奴を入れちゃった!?」と書いてある。

”そうだよ!あんた達の世界にヤバい奴が入ってきたんだよ!”と、僕は心の中で嬉々と唱えた。

食べるための争いも経てきた人類が、やがて種から農作物をつくり、農作物を飼料とした畜産も生み出しました。その後、世界人口の増加に合わせるかのように農業技術は進化を遂げ、今日まで世界の胃袋を満たしてきました。一方で、耕作放棄地、農業従事者の高齢化、フードロス、フードマイレージ、有り余る農作物の国家間の押しつけ合いなど、様々な問題もあるのが現実です。OPENSAUCEの『KNOWCH』プロジェクトでは、問題に農家の視点から取り組みます。