2020.05.31

キムチポッカ オカンの韓国家庭料理 VOL.②

皆さんは【キムチポッカ】と言う韓国料理を御存知だろうか?
“キムチ”は言わずと知れた韓国の代表的な漬物(ここでは白菜キムチ)を指す。“ポッカ”は炒めるの意味。

つまり、自分の好きな野菜類や豚肉を炒めた、謂わゆる〝豚キムチ〟の事である。

キムチポッカの発祥は、日本の屋台だと言う説が有力だが、此処ではそれに言及せず、我が家の味に言及したいと思う。

ところで、皆さんは酸っぱくなってしまったキムチをどの様にして食べるだろうか?

つい先だっても、社内で頂いた大量のキムチが酸っぱくなってしまい、食べ方に困っていたが、実はたくさんのリメイク方がある。

シンプルに、たっぷりのごま油で炒めてしまう。これだけで酸味が飛び、キムチポッカとして成立する。流行りでチーズをたっぷりとかけて頂いても良い。

お味噌汁の具材として、テンジャンチゲ(辛味噌鍋)風にアレンジも出来る。

麺つゆに暫く漬けて馴染ませて、そのまま素麺にぶっ掛けて食べると、キムチの酸味が麺つゆの甘さと相まって、またこれからの季節には暑気払いにもサッパリと食べられる一品になる。

最近の私のお気に入りは、ポン酢と鶏ガラ出汁で作る、酸辣湯風スープである。

さて、我が家のキムチポッカは、白菜キムチ、玉ねぎ、豚肉、そして豆腐が入る。

ごま油でキムチと玉ねぎを炒めて、そこに食べやすい大きさに切った豚肉を合わせて炒める。

具材に充分火が通ったら、最後に豆腐を投入して仕上げだ。
味付けは出汁と麺つゆの2つだけ。お手軽“豚キムチ”の完成である。

たっぷりの炒りごま、ネギを仕上げにパラパラ。
大人は好みで粉唐辛子や青唐辛子を刻んだものを振り掛けても良い。
辛いのが苦手な場合には、味付けの際にみりんを加えると円やかに仕上がる。
豆腐がカサ増しにもなり、ボリュームのあるメインディッシュだ。

『少し辛い!!』と言った私に、生卵を落として食べさせてくれたオカン。あんた天才だよ♡

今では、青唐辛子をそのまま食べるくらいに激辛通になってしまった私だが、今度作る時はみりんを加えて、可愛かったあの頃の想い出にどっぷりと浸かろうと思う。

WRITER Taishi Joh

沖縄にルーツを持つ父親と、韓国人の母との間に産まれ、幼い頃から日本食とは一風変わった食卓で育ちました。
転勤族の父親に付いて、全国津々浦々に移り住み、グルメな母親の影響で週に一度は外食をしていました。
それでもやはり、一番好きな食事は母親の手作りです。母も小まめに料理を作り、夕飯の家族一緒の団欒はかけがえのない想い出です。
今でも月に一度の頻度で、田舎の特産品や母親手作りの常備菜が届きます。
そんな私が、もう永住するしかないと決めた大好きな街、金沢。
其処から全国、ひいては全世界に向けて食のあり方を発信することが出来る私たちの会社を誇りに思い、末端ながらお仕事出来る喜び…と、美味しい賄いを噛み締めている毎日です。