2020.12.01

赤い扉のお話【Alembic蒸留所通信Vol.1】

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蒸留所アレンビックの赤い扉

今年の夏、お醤油の街として知られている金沢市大野町に、ふと足を止めたくなる赤い扉のある建物を作りました。地元では、教会?ピザ屋?とあれこれ噂になっているのですが、新築にもかかわらず築50年の雰囲気を醸すことを目指していたので、いずれにしろ話題になるということはありがたいお話ですよね。

実はここ、Alembic(アレンビック)大野蒸留所といって最近巷で話題になっているクラフトジンなどスピリッツ、いわゆる蒸留酒をつくる工場なのです。オープンは年明け早々に、そして来年の春頃には製造開始できることを目指して頑張って準備中でございます。

蒸留所アレンビックの赤い扉

この赤い扉、はるばる米国のウィスコンシン州から海を渡ってやってきました。といっても見つけたのは富山。僕らの仲間でArchitectural Salvage GARRETという会社の倉庫です。蒸留所のデザインを考えているときに、みんな発想が自由すぎて「工場を地面に埋めて、更地にドアだけ」「やたら入りにくい扉」などなど言いたい放題。

とはいえ、表玄関の扉は工場の顔でもあるし、印象的なデザインのものがよいし、こだわりのポイントでもあったので、あれこれ探していたところ出会っちゃいました。

最初は築100年以上前の銀行の金庫の扉が候補だったのだけど、とんでもなく分厚くて、とんでもなく重い。確かに昔の銀行の扉なんてロマンがあるじゃないですか?でも運べないし、そもそもえらい使いにくいので断念。

そんな中、広い倉庫を物色しているとありましたよ。米国の田舎の牧場にありそうなでかい扉。まあまあ年季のはいった扉だったので、気になって出所を聞くと、HAMILTON MFG CO.という米国の工業製品メーカーの本社にあったものだそうです。今は存在しないのですが、米国では歴史ある有名な会社で、そんな会社にあった扉が廃棄されることなく、遠く離れた日本の片隅で再び息づいていると思うと嬉しくなります。

子供の頃って、初めて入るお店や場所のドアを開けるときってドキドキしませんでしたか?おっさんになった今では、どこでも図々しくずかずか入っていきますが。

僕らは、初めてこの扉を開けて入ってくれた人が、ドキドキしながら入ってくれて、帰るときには笑顔で出ていってくれる、そんな場所にしていきたいなと思っています。そしてたくさんの人をお迎えして、素敵な出会いが生まれたらよいなと願っています。

お腹がすいたから食べる、カラダによいから食べる、生きるために食べる。いろんな食べるがありますよね。なかでも、僕は大切な人と一緒に美味しいを分かち合って食べる時間が好きです。「いただきます」から始まって、「ごちそうさま」で終わる時間。食卓を囲んで、お腹も気持ちもいっぱいになって、「あぁ、今日も良い一日だったな」と思えるこのシアワセな時間を、より多くの人が過ごしてもらえるように農業、食を楽しむ場の提供、そして醸造の仕事を通して伝えて行きたいと思います。

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