2019.08.01

【オススメ店加筆しました】本当のタピオカの話をしよう

タピオカを食べる女子の浮世絵

なぜオッサンがタピオカを食べているのか

タピオカ屋にオッサンが!みたいな投稿で荒れたり荒れなかったりした昨今の時代であるが、タピオカはオッサンが食べても一向に差し障りがないのである。
柳田國男の『民間伝承論』で、ヒゲのオッサン柳田がムシャムシャと朝ごはんにたまにタピオカを食べているよ、という記述がある。

柳田国男

柳田JKか。女性力高い。いや、そういう話じゃないのである。

『民間伝承論』の公刊は昭和9年、柳田國男59歳の時である。
当時でこの年齢はもうしっかり老境に入っている。オジサンがタピオカどころか、おじいちゃんがタピオカなのである。(ちなみに柳田は87歳まで生きている)

柳田おじいちゃんはなにもインスタ映えを狙ったわけでも、JKぶりたかったわけでも当然ない。

島崎藤村の「名も知らぬ 遠き島より流れ寄る 椰子の実一つ」という詩も、愛知県の伊良湖の岬で療養していた柳田が打ち上げられたヤシの実を見つけたのを友人の島崎藤村に話したのが元ネタなのであるが、若い頃から療養するぐらいだから柳田は決して体力壮健な体質ではなかった。

柳田はこの『民間伝承論』を執筆していた頃、おそらく度々、病気で寝込んでいたのではないかと考えられる。

なぜ、そんなことが言えるのか?

病人食タピオカ

明治・大正のジャーナリストで小説家の村井弦斎という人物がいた。
彼の『食道楽(くいどうらく)』シリーズは大ベストセラーで平塚に大豪邸を構えていた。

『食道楽』だがどんな小説かというと、『孤独のグルメ』とか『美味しんぼ』とかの走りのようなもので、ひたすらに登場人物が食の薀蓄を話続けるというものである。むしろその登場人物の饒舌さは『美味しんぼ』に近い。

『食道楽』の「秋の巻」で、中川というキャラクターが「タピオカ」についてこんな風に言及している。

「(略)それから今の人は一口に消化器が悪いという、すぐに柔い物ばかり食べる事とこう思いますけれども胃の悪い時と腸の悪い時とは殆ほとんど反対の食物を要するので、胃の悪い時にお粥のようなネバネバしたものを与えると一層悪くなります。お粥ならば米を炒って柔やわらかに炊かねばなりません。生のパンもいけません。何でもサラリとしたものが良いのです。腸の悪い時には葛湯のようなドロリとしたものが良いので、下痢の時なぞに葛湯は最も適当です」

○腸の病ある時は葛に似たるアラローツまたはセーゴ、タピオカの類を食するもよし

青空文庫 村井弦斎『食道楽』秋の巻より

と、ある。

そう、タピオカというのは胃腸が弱っている時の病人食だったのである。
日本にはかなり初期の頃からタピオカは「病人食」として認知はされていて、明治7年(1873)年の『薬品名彙』という医薬名字典に「Tapioca 荅必阿加(横にルビで タピヲカ)」とある。

そう、タピオカは病人食だったのだ。

ちなみにその後も村井弦斎の『食道楽』でタピオカは登場する。主人公であるお登和嬢が「西洋の葛餅」という段でタピオカについて語っているのだが、

「暑い時分には冷たくってどんなに美味うございましょう。」

と、コメントしていて、今とあんまりそこらへんは変わないのである。

人間はあんまり変わらない~江戸時代のタピオカ~

やはり人はこういうプニプニしたものが好きらしい。
水物とプニプニの組み合わせは最強である。

江戸時代、夏場には甘酒が飲まれていたのは最近よく知られるようになったが、「冷や水売り」というのも人気だった。
売りあるく声は「ひゃっこい、ひゃっこい」。聞いてきたようなこと言いやがってと思うかもしれないが、『守貞漫稿』という江戸時代の書物にはそう書かれているんだから仕方ない。

実際つめたかったわけではないのだが、この水売りの水の追加トッピングには砂糖と白玉があり、白玉は食紅でまだら模様になっていたらしい。砂糖と白玉トッピングのお客様には特別に錫やら真鍮の器に入れてあげた。
金属のひんやりとした感じが楽しめるという趣向である。

歌川国貞(三代歌川豊国)「はやりゆかた当世揃」
歌川国貞(三代歌川豊国)「はやりゆかた当世揃」 手には錫と思われる金属の器を持っている

まあ、あんまり人間変わらないもんなんである。



…と、タピオカの原稿を書いたらタピオカに詳しいと思われてる。
ふん、ブームに俺が詳しいわけ、、、、

はい、三石ランキングー!
(*´꒳`ノノ゙パチパチ

オススメ第1位、春水堂(チュンスイタン)

ええ、読み仮名みてもらうとわかる通り、もともと台湾です。
でも日本に進出しておなじみ。
ここがタピオカミルクティー発祥の店ぞ??

2位はTP Tea

これももともと台湾。春水堂が母体で10年ちょい前にできたニューウェーブ系。
春水堂をカスタマイズできるのが売り。

3位はThe Alley

まあ、これも台湾。甘さ控えめで大人のタピオカ。
こちらも日本進出済。

(*´∀`*)y-゚゚ タピオカブームいつからよ、というと1985に春水堂が台湾でタピオカミルクティー出すからそれ以降だね。

もともと好きですよ。
他に好きなものは、チョコミント、牛タン、馬肉、生肉を刺身で食べるのが好き!!!
好きなアニメはプラネテス、フリクリ!!!
以上!!!
⊂(`・ω・´)⊃バッ


私は、だいたい数日に一食しか食べない。一ヶ月に一食のときもある。宗教上の理由でも、ストイックなポリシーでもなく、ただなんとなく食べたい時に食べるとこのサイクルになってしまう。だから私は食に対して真剣である。久々の一食を「適当」に食べてなるものか。久々の食事が卵かけ御飯だとしよう。先に白身と醤油とを御飯にしっかりまぜて、御飯をふかふかにしてから器によそって、上に黄身を落とす。このときに醤油がちょっと強いかなというぐらいの加減がちょうどいい。醤油の味わい、黄身のコク、御飯の甘さ。複雑にして鮮烈な味わいの粒子群は、腹を空かせた者の頭上に降りそそがれる神からの贈物である。自然と口から出るのは、「ありがたい」の一言。