2023.10.18

Alembic大野蒸溜所が『百万石ウイスキーフェスタ』で注目を集める。

ジャパニーズウイスキー100周年の今年、ウイスキーの祭典『百万石ウイスキーフェスタ2023』が10月15日東急ホテル・ボールルームにて開催され、『Alembic大野蒸溜所』が国内蒸留所などの部門で出展。中でも『Alembic Dry Gin HACHIBAN』は今年2つの世界一に輝いたこともあり、ジンの出展にもかかわらず県内外からやってきたウイスキー愛好家たちの注目を集めた。

Asile、A_RESTAURANTから応援に来た竹下バーテンダーの熱の入った説明

このウイスキーフェスタには21のメーカーやインポーター、9つのBARやコレクター、14の国内蒸溜所などが出展。「これは来年も来なくては」という声が聞こえるほど、ウイスキー、洋酒マニアには見逃せないイベントとなったようだ。

そんな中で、Alembicブースでは、HACHIBANで初めてジンを体験する人や、限定生産のネイビーレングス、HACHIBAN『群青』のジンの奥深さに驚く人たちが熱心に説明を聞くシーンが見られた。

また、当日入場料5,500円(前売4,500円)という金額にもかかわらず、若いカップルから個人、グループ、年代を含め幅広い層の参加が見られた。さらに無料試飲以外に多くの参加者が有料の試飲をする様子があった。嗜好品としての「酒」に対しての人気は衰えておらず、ますます拡大しているようだ。

同10月に「しいのき迎賓館」で開催された『サケマルシェ』にも多くの若い層も集まり、日本酒の利き酒を楽しむ姿が多く見られたが、この状況からも「減っている」という飲酒層に対する一般的な評価を見直す必要もあるように感じた。富裕層向けのブランディングもビジネスとしては重要だが、一般層の中で長く育つ商品開発も必要であろう。

いま、何が売れているかによってものづくりをするのではなく、歴史に敬意を表し、その商品で何を伝えたかったか、どんなふうに楽しんでもらえるか、手にした人がハッピーになるかを芯にして開発してきた中川代表によるAlembic Dry Gin HACHIBANが世界で評価され、国内でもリピート購入されているのが良い例だ。

時間帯によっては通路がいっぱいになる程の盛況だった会場

また、このようなイベントへの出展することはAlembic大野蒸溜所およびOPENSAUCEにとって販促活動としてだけではなく、製品に込めた「食」への考え方、取り組み方を伝えていく大切な場(メディア)でもある。

2023年はAlembicが国内外への発信の先駆者となって大きな活躍を果たした。
コロナによる制限も解除された今、2024年以降も金沢の「食」にまつわるイベントが多く開催されインバウンドも含め参加者が増えると予測される。OPENSAUCEとして積極的に参加を検討するべきだろう。

ステージでは国内蒸溜所によるプレゼンテーションも。国内に小さな蒸溜所が増えているのは飲酒スタイル、酒文化の転換期に突入したということかもしれない。
イギリスでのIWCA最高賞受賞式に出発する前日の出展となったAlembic中川代表(左)

text : Joji Itaya