2021.07.19

農業女子【私の食のオススメ本】

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  • 書名:農業女子 女性×農業の新しいフィールド
  • 著者:伊藤淳子 
  • 発行所:洋泉社
  • 発行年:2015年

著者・伊藤淳子氏は80年代前後にサーファーガールに人気の雑誌をリーダーとして編集していた。その後、今では珍しくなくなった(それでも少ないかも)女性だけの企画・編集会社を創設し、さまざまな公民合わせた場面で活躍してきた。

2013年、農林水産省は「農業を仕事とし、自らの経営や地域との関わり方などに志を持つ女性」を対象に、企業との商品開発や広報活動などのプロジェクトに参画する『農業女子プロジェクト』を始めた。

2015年発行のこの本は、伊藤氏はプロジェクトのサポーターでもあり、その流れから生まれたのだろう。しかし、国のプロジェクトがつい6年ほど前にできたばかりということにも少し驚かされた。

そのことも含め、その時点でのさまざまな『農業女子』や農家、農業の一面を知る入り口としては入りやすい本だ。(プロジェクトは現在も続いており、メンバー840名、参加企業は37社。その後の進捗はpdfでチェックできる)

『農業女子』というタイトルや帯の「女性だからできる新しい農業のカタチ」ということばからいろんなことが革新的に進んでいるという内容かと思われるがそうでもない。新規就農から後継ぎ、結婚など当時の様々な形態で農業に従事している農業女子たちの取材+就農ちょいアドバイズ本。

特に一世代前くらいに農家に嫁いだ人たちは自由になるお金もなかったと言われる収入と金銭問題。そして役所や地域の壁から、耕作地のトイレ問題など様々な課題が見えてくる。

取材内容は結構骨太だ。たしかに装丁や中の写真が「女子でもなれる農業」的に見えたり、カワイイや農作業にもファッションを、といった女性性が強く出ていると感じる部分もある。ただし、農業の世界が二時代は遅れていたのだから、これは農業において女性が本当に前面にでてくるための過渡期であると考えれば、必然かもしれない。

発行当時で基幹農業従事者、約178万人のうち42%が女性。農家の経営方針策定に関わっているのはその7割。女性がいる経営体は総じて販売売り上げが多いそうだ。就農人口が減少しているいま、食と農への女子目線も含め、女性の就農やその立場や労働環境の改善は重要だ。

WRITER Joji Itaya

出版にたずさわることから社会に出て、映像も含めた電子メディア、ネットメディア、そして人が集まる店舗もそのひとつとして、さまざまなメディアに関わって来ました。しかしメディアというものは良いものも悪いものも伝達していきます。 そして「食」は最終系で人の原点のメディアだと思います。人と人の間に歴史を伝え、国境や民族を超えた部分を違いも含めて理解することができるのが「食」というメディアです。それは伝達手段であり、情報そのものです。誰かだけの利益のためにあってはいけない、誰もが正しく受け取り理解できなければならないものです。この壮大で終わることのない「食」という情報を実体験を通してどうやって伝えて行くか。新しい視点を持ったクリエーターたちを中心に丁寧にカタチにして行きたいと思います。

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