2025.04.11

しあわせは食べて寝て待て〜「食べること」漫画のドラマ化

過去にRIFFのブック紹介で取り上げてきた漫画が2作もNHKでドラマ化されている。2022年にシーズン1、2024年にシーズン2が放送された比嘉愛美・西野恵未が出演した夜ドラ『作りたい女と食べたい女』(放映終了)で、記事中にドラマ化の内容にも触れている。そして2025年4月1日からスタートした夜ドラ『しあわせは 食べて寝て 待て』(出演・桜井ユキ、宮沢氷魚、加賀まりこ)。

あえて表題を「料理漫画」としなかったのは、この2作が「食べること」の意味を考えさせ、誰かと「食べること」で何が始まるのかを教えてくれる作品だからだ。

どちらも根底には登場人物それぞれが抱えた問題があるのだが、「食べること」で解決していく。いや、解決していくというより始まっていくのだ。

こういう本を取り上げてしまうのは、ここ数年、「食」の仕事のことだけを考えていると、「食べること」とは何かというテーマに行き着いてしまうからだろう。

最近、ここ金沢では知り合いのお店から独立して飲食店を開く若い人たちが増えたようだ。そんな人たちにも「食べること」についてどこかで考えていてくれたらと思う。いっぱいある答えをいっぱい考えだして欲しいと思うのだ。

本の紹介記事は以下のリンクから。そして放映中のドラマも観ていただきたい。終わってしまったものは漫画か再放送を待っていただければ。

しあわせは 食べて寝て 待て

NHK 夜ドラ「しあわせは 食べて寝て 待て」
https://www.nhk.jp/p/ts/B9N328J5VP/

作りたい女と食べたい女

もう一つ、毛色が変わるが2025年現在、コメディ漫画のドラマ化「飯を喰らひて華と告ぐ(主演・仲村とおる)」が各ネットTVで配信されている。

「人のために料理をつくる」ということを考えさせる漫画だ。それが、しょーもない勘違いなお節介でも、そして、その料理人がそのことで一人、悦に入っていてもだ。

紹介記事ではこう書いた・・・どんな飲食店でも日々「人のために料理をつくる」というところに立ち戻れない(考えていない)ならやめるべきだと思うのである・・・だからこれも料理漫画ではなく「食べること」漫画なのである。

ドラマ「飯を喰らひて華と告ぐ」公式サイト
https://meshikura.com/

最後に、認定NPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」(東京)によると、子どもたちに無料や定額で食事などを提供する子ども食堂について、本年度の全国箇所数調査では、石川県内は昨年度から42カ所増の88カ所になり、増加率(91%)は全国トップとなったことを付け加えておく。

WRITER Joji Itaya

出版にたずさわることから社会に出て、映像も含めた電子メディア、ネットメディア、そして人が集まる店舗もそのひとつとして、さまざまなメディアに関わって来ました。しかしメディアというものは良いものも悪いものも伝達していきます。 そして「食」は最終系で人の原点のメディアだと思います。人と人の間に歴史を伝え、国境や民族を超えた部分を違いも含めて理解することができるのが「食」というメディアです。それは伝達手段であり、情報そのものです。誰かだけの利益のためにあってはいけない、誰もが正しく受け取り理解できなければならないものです。この壮大で終わることのない「食」という情報を実体験を通してどうやって伝えて行くか。新しい視点を持ったクリエーターたちを中心に丁寧にカタチにして行きたいと思います。