オジンオチェポックム。
何だか呪文の様で、強いモンスターを召喚しそうなこの名前。
実は、韓国料理の『パンチャン』=おかずの中でも定番中の定番である、サキイカのヤンニョン和えの事だ。
『オジンオ』=イカを意味するのだが、韓国だと新鮮なイカもサキイカも同じ呼び方をする。
また、『ポックム』(pokkum)=『ポッカ』=炒めるであり、キムチポッカの炒めると同義語である。
実際には、オジンオチェポックムは和える方が手軽に作れる為、炒めはしないのが一般的だが、この通称だ。
作り方は至ってシンプル!ヤンニョン醬に少し多めの砂糖、若しくはみりんを加えて、ハサミで食べ易い長さにカットしたサキイカに絡めるだけ。
仕上げにゴマを振り掛ければ、鮮やかなオジンオチェポックムの完成である。
この食べ物、私の実家では辛いイカなので「辛イカ」と呼び、常備菜の一種であった。おかずとしては勿論、おやつや酒の肴として最高で、お弁当にもよく入っていた。
辛イカさえあればチャミスル1本ストレートで直ぐに空いてしまう。
先だっても、持ち寄りのホームパーティーにおつまみとして持って行ったら好評の内に完食して頂けた。
ヤンニョン醬に、少しマヨネーズを加えると乾燥も防ぎ、冷蔵庫で2〜3週間は日持ちする。
見た目程に辛くはなく、お子さまも楽しめるクセになる味。また、ダイエットにもサキイカは良いので、この韓国の味を是非噛み締めて下さい!
沖縄にルーツを持つ父親と、韓国人の母との間に産まれ、幼い頃から日本食とは一風変わった食卓で育ちました。
転勤族の父親に付いて、全国津々浦々に移り住み、グルメな母親の影響で週に一度は外食をしていました。
それでもやはり、一番好きな食事は母親の手作りです。母も小まめに料理を作り、夕飯の家族一緒の団欒はかけがえのない想い出です。
今でも月に一度の頻度で、田舎の特産品や母親手作りの常備菜が届きます。
そんな私が、もう永住するしかないと決めた大好きな街、金沢。
其処から全国、ひいては全世界に向けて食のあり方を発信することが出来る私たちの会社を誇りに思い、末端ながらお仕事出来る喜び…と、美味しい賄いを噛み締めている毎日です。