2022.08.04

日本酒 “IWA5” 試飲会開催レポート

2022年6月9日、日本酒”IWA5”の試飲会が、A_RESTAURANTを会場として開催されました。

日本酒「IWA」とは。
シャンパーニュ「ドン・ペリニョン」の五代目醸造責任者として28年間ドン・ペリニョンを率いたリシャール・ジョフロワ氏が、富山県でスタートしたゼロから日本酒を造るプロジェクト。(詳しくはこちら)

IWA5はこれまで、2020年にファーストリリースとなる「Assemblage 1」、2021年には「Assemblage 2」をリリースしてきました。

2022年の6月に「Assemblage 3」がリリースされることを機に、その魅力をより多くの方に知っていただく目的で、飲食業の関係者を招待しての試飲会が開催されました。

IWA5には決まったレシピがありません。

その年毎に仕込まれた日本酒の原酒を、リシャール・ジョフロワ氏が自分の舌と感性でアッサンブラージュ(ブレンドすること)してその年のIWA5が出来上がります。

今回の試飲会で用意されたのは「Assemblage 2」「Assemblage 3」

月日の経過とともに味わいにまとまりが生まれ、バランスの良く感じる「Assemblage 2」と、これからリリースを控える「Assemblage 3」との比較試飲は、同じIWA5でも大きな違いを感じることが出来ます。

また、IWA5の大きな魅力の一つは「料理とのペアリング」です。

今回は、日本酒IWA5と、A_RESTAURANTの料理とのペアリングも体感していただく試飲会となっており、私はA_RESTAURANTのソムリエとして、シェフたちと共にIWA5に合わせる料理を考案しました。

IWA5のAssemblage 2とAssemblage 3、それぞれのテイスティングコメントとペアリングで用意した料理を紹介させていただきます。

【Assemblage 2 】

テイスティングコメント

香りには熟れたメロン、マスカット、レクチェ(洋梨)、梅酒を漬けた青梅、オレンジピール、太きゅうり、ナッツ類、僅かに白トリュフや白カビサラミのようなニュアンスも。

味わいは穏やかで、まとまりのある柔らかい舌触り。

アルコールのボリューム感がやや強く、中盤には甘みを伴った力強い味わい。

後半から余韻にかけては、カシューナッツ、みりん、紹興酒のような、熟成からくる甘く香ばしい香り。

全体的にまとまりのあるバランスの取れた味わい。口中での味わいの抑揚は少なく、穏やかに流れる清流のよう。

突出した要素が少なく、一つの作品としてすでに完成されているように感じる。そのため、「素材」を味わう一皿ではなく、「料理」として複数の要素で構成された一皿で合わせたい。

ペアリングの料理

柔らかい食感から歯ごたえのある食感へ、順に食べ進める串のスタイル。

豆腐しんじょう

豆腐、生クリーム、卵黄と合わせ、塩でマリネしたパパイヤを添える。

帆立しんじょう

帆立のしんじょうの上に、甘エビ、バジルのペースト、サマートリュフを添えて。

コンニャク

カツオ出汁、老酒、オイスターソース、醤油、砂糖で炊いたもの。七味、ウリ、ネギをピーナッツオイルで合わせて添える。

Assemblage2の香りと味わいの流れを再現したような料理。

熟度の高いフルーツから、柔らかい舌触り、青味やミネラル、後半のボリューム感、その味わいのグラデーションを、3種の串を食べ進むことで同様に感じ取ることができる。

豆腐しんじょうの柔らかさとパパイヤは日本酒の前半の印象に調和し、次に食べる帆立しんじょうは食感に少し弾力が生まれ、日本酒の中盤で感じる甘みを伴った旨味と共に調和する。

また、こんにゃくに添えた七味は香ばしさとスパイス感のアクセントとなって、最後に食す瓜とネギの清涼感をより際立たせる。

【Assemblage 3】

テイスティングコメント

香りにはマイヤーレモン、塩味、石灰のようなミネラル感、瑞々しい青梅、アスパラガスのような青さや少し花山椒のようなスパイシーさも。

味わいは、舌の上をゆっくりと流れて広がりを感じる印象。ねっとりとした舌触りと甘みを伴ったボリューム感のある味わいだが、高いレベルの酸味が全体の要素をまとめ上げる。中盤から後半にかけて、蓼の葉をかじったようなピリピリとしたスパイシーさとポジティブな苦味を伴う旨味。

香り〜味わいまで、要素がいくつもの「層」となって上がってくる、複雑な味わい。

また、香り・味わいに個性を強く感じる。「素材」を活かした料理との相性が良い。

ペアリングの料理

薩摩牛A5サーロインのカルパッチョと雲丹

パートフィロ、柑橘と昆布のジュレ、和牛のガルム、和牛の牛脂パウダー、レモンパウダー、海藻、マイクロアニス、タラゴン

パートフィロのパリッとした食感はメリハリのあるAssemblage 3の味わいと調和する。和牛の脂の甘みやボリューム感が日本酒の甘みを伴った味わいの広がりによく合い、ウニに感じる磯の香りが日本酒の塩味を伴うミネラル感を表現している。

今回の試飲会にて、発売に先駆けてお披露目された「Assemblage 3」は、一般の方もオンラインサイトから購入できます。

これまでの「Assemblage」”1”、”2” とはまた違った味わいの調和を感じる「Assemblage 3」、ご興味ある方はぜひお試しください。

IWA公式サイト https://iwa-sake.shop/

Photo by Toshimitsu Takahashi

職業 Sommelier
2008年 ANAクラウンプラザホテル金沢へ入社
2014年 ジャルダン ポール・ボキューズ金沢
2018年 株式会社OPENSAUCE A_RESTAURANT