片付けではなく、明日のゲストを120%笑顔にするための” Stand-by “
そう思って、いつも営業終了後の作業を進める。
深夜「明日のスタンバイで遅くなったなー」と、疲れは残っているが、むしろ清々しく、犀川沿いの夜に浮かんで見える桜を眺めながら今日も家路に向かった。
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レストランでは最後のゲストが退店すると、いわゆる「片付け」が始まる。
飲食店の仕事の8割は「片付け」と「Stand-by」だ。厨房で包丁を握る職人も、バーカウンターの中で華やかにシェイカーを振るバーテンダーも、優雅にワインをサーブするソムリエも、その姿は1日の仕事のうち、たった2割。
特に飲食業に携わる者にとって最も過酷な仕事は、人々が眠りにつくような時刻にスタートする「片付け」だろう。
(私も、優しいバーテンダーが毎日丁寧に洗ってくれたワイングラスを、更にアルコール漬けして拭き上げる、営業後の作業にはかなりの労力を割いている)
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だからみんな「片付け」が嫌いだ。どうしても疲れた顔をして作業をしてしまうこともあると思う。片付けが終わって時計を見て、げんなりする。
でも意識を少し変えて、「明日のゲストのための ” Stand-by ” をしている」と思うようにすると、色んなことが前に向くのではないか。
「今日も片付けに遅くまでかかってしまったな〜」
そんな気持ちを「今日もこんな時間になったけど、ゲストのためにスタンバイしたから、明日も絶対最高のサービスが出来る!」と思えたら、街灯が消えた深夜の桜も、いつもより少し明るく見えるはず。
サービス業の皆様、今夜も明日への” Stand-by “お疲れ様でした。
(この記事はOPENSAUCE元メンバーによって在籍中に書かれたものです)
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