2021.01.05

高城剛
人口18万人の街がなぜ美食世界一になれたのか【私の食のオススメ本】

  • 書名:人口18万人の街がなぜ美食世界一になれたのか
    〜スペイン サンセバスチャンの奇跡〜
  • 著者:高城剛
  • 発行所:祥伝社
  • 発行年:2020年

初版から10年経った現在、もう一度読み直したい1冊。

ここ4年で一気にスペイン、バスク地方がフューチャーされた。世界は新規のレストランなど立ち上げる空気にないのかもしれないが、今だからこそバスクに学ぶことがあるのではないだろうか?

著者・高城剛は映像のアーティストだったが、先を感じるアンテナで現地を体験し、本書を記した。とはいってもサンセバスチャンはもっと先に食の街興しを成功させていた。その意味を探ることはこれから先の新しい生活において重要だ。

高城は「世界の中での自分を知る」ことが重要だと語り、サンセバスチャンで学んだことは「控えめな気持ち」だと言う。

美食の街サンセバスチャンとは何か、世界一になったヌバエ・コッシーナについて、独自の文化を誇るバスクとは、料理を知的財産にすることなどが検証され説明される、そして2021年の今だからこそ日本が学ぶものが書かれている。10年前の初版の時点では日本がいかにして観光立国になるかを考えろと言い続けたが、いまはもっと深く、食の世界を考えなければならない。

WRITER Joji Itaya

出版にたずさわることから社会に出て、映像も含めた電子メディア、ネットメディア、そして人が集まる店舗もそのひとつとして、さまざまなメディアに関わって来ました。しかしメディアというものは良いものも悪いものも伝達していきます。 そして「食」は最終系で人の原点のメディアだと思います。人と人の間に歴史を伝え、国境や民族を超えた部分を違いも含めて理解することができるのが「食」というメディアです。それは伝達手段であり、情報そのものです。誰かだけの利益のためにあってはいけない、誰もが正しく受け取り理解できなければならないものです。この壮大で終わることのない「食」という情報を実体験を通してどうやって伝えて行くか。新しい視点を持ったクリエーターたちを中心に丁寧にカタチにして行きたいと思います。