2020.06.23

ピンチョス360°【私の食のオススメ本】

  • 書名:ピンチョス360° all about finger food
  • 著者: ホセ・バラオナ・ビニェス
  • 発行所:柴田書店
  • 発行年:初版2013年

スペインの有名ピンチョス専門店が赤坂に登場して、ピンチョスブームの到来と言われたのが初版発行の翌年であるが、すでに著者は1997年に東京・内幸町で創業したスペイン料理店を2001年にピンチョスを前面に打ち出した店舗にリニュアルしているのでかなりの先見の名がある。

さらに、この本が日本に長年住んで、「手でつまむ美食カルチャー」の洗礼を受けたシェフによって作られているからか、食材も美しさも日本人の感覚にも合うものになっているように思える。

著者は「味を組み立てる」と「表現を展開する」を中心に新しいピンチョ作りの方法論を説き、レシピで実践している。

特に、様々な種類の野菜使いのアイデアには感心してしまう。

本気でトライしてピンチョス・パーティーを開いたら、賞賛の嵐は間違いない。

WRITER Joji Itaya

出版にたずさわることから社会に出て、映像も含めた電子メディア、ネットメディア、そして人が集まる店舗もそのひとつとして、さまざまなメディアに関わって来ました。しかしメディアというものは良いものも悪いものも伝達していきます。 そして「食」は最終系で人の原点のメディアだと思います。人と人の間に歴史を伝え、国境や民族を超えた部分を違いも含めて理解することができるのが「食」というメディアです。それは伝達手段であり、情報そのものです。誰かだけの利益のためにあってはいけない、誰もが正しく受け取り理解できなければならないものです。この壮大で終わることのない「食」という情報を実体験を通してどうやって伝えて行くか。新しい視点を持ったクリエーターたちを中心に丁寧にカタチにして行きたいと思います。