出版にたずさわることから社会に出て、映像も含めた電子メディア、ネットメディア、そして人が集まる店舗もそのひとつとして、さまざまなメディアに関わって来ました。しかしメディアというものは良いものも悪いものも伝達していきます。 そして「食」は最終系で人の原点のメディアだと思います。人と人の間に歴史を伝え、国境や民族を超えた部分を違いも含めて理解することができるのが「食」というメディアです。それは伝達手段であり、情報そのものです。誰かだけの利益のためにあってはいけない、誰もが正しく受け取り理解できなければならないものです。この壮大で終わることのない「食」という情報を実体験を通してどうやって伝えて行くか。新しい視点を持ったクリエーターたちを中心に丁寧にカタチにして行きたいと思います。
映画の導入で一人の男が小さな村の道のようなところを急ぎ足で一軒の大きな家に向かっていく。メロディではなく楽器でもない不穏な効果音が追いかける。ちょっとだけホラー映画の始まりかと思わせた。 しかし、男がその家に辿り着きドアを開けた途端にホラー(気分)は突然終わる。そこは『ムガリッツ』の厨房口。男は『ム……