出版にたずさわることから社会に出て、映像も含めた電子メディア、ネットメディア、そして人が集まる店舗もそのひとつとして、さまざまなメディアに関わって来ました。しかしメディアというものは良いものも悪いものも伝達していきます。 そして「食」は最終系で人の原点のメディアだと思います。人と人の間に歴史を伝え、国境や民族を超えた部分を違いも含めて理解することができるのが「食」というメディアです。それは伝達手段であり、情報そのものです。誰かだけの利益のためにあってはいけない、誰もが正しく受け取り理解できなければならないものです。この壮大で終わることのない「食」という情報を実体験を通してどうやって伝えて行くか。新しい視点を持ったクリエーターたちを中心に丁寧にカタチにして行きたいと思います。
書名:春、死なん 著者:紗倉まな 発行所:講談社 発行年:2020年 この本には「春、死なん」と「ははばなれ」の2作が収められている。前者は妻を無くし2世帯住宅の片側で孤独に暮らす70代の男の話だ。後者は夫と死別した初老の母のあっけらかんとした恋人とのセックスライフを知ってしまう、20代の既婚の娘の……