2020.05.29

ビビンパなの?ピピンパなの!? オカンの韓国家庭料理 VOL.①

ビビンパ

外国渡来の食べ物には、私たちが普段、使い慣れない発音が多い。

諸説あるが、我が家の正解は『ピビンパ』(以下、此方に統一)だ。ローマ字で現すと【pibimpap】となる。

ピビン = 混ぜ、パプ = 飯の意味だ。つまり、混ぜ御飯の意味になる。

ただ、日本で精通している呼び方は『ビビンバ』が殆どであり、これは半濁音《パピプペポ》の発音が苦手な日本人に合った広まり方だったのであろう。

さて、私の得意料理の一つがこのピビンパだ。当社の宮田代表も大いに気に入って下さったこの料理。

実は、残り物料理のリメイクだということを御存知だろうか?!

親戚一堂が介する年中行事の後や、御祝の宴にたくさん作ったおかずをピビンパにして食べる機会が多い。

韓国の中でもピビンパの由来には諸説あり、ハッキリとした事は分かっていない。

キムチやナムル、卵にごま油を掛けてピビッ(混ぜ)て食べる。一緒に付いてくるワカメスープを、スカラ(スプーン)一杯ほど掛けて、混ぜれば混ぜるほど味が合わさってとても美味しくなる。

もやしのナムルは牛骨出汁でしっかり味付け。

人参はスライサーで1本丸ごと。本来ならば千切りにするが、我が家は横着な丸型人参ナムルだ。挽肉は砂糖と醤油で和風テイスト。
卵は生卵ではなく、甘め炒り卵なのが我が家流。

ワラビやゼンマイの山菜ナムルを添えれば、基本の5品を乗せたピビンパの完成である。

母は、このピビンパにお手製の辛味噌を乗せてくれていたが、調べたら『テンジャンピビンパ』と言って、れっきとした分類があるそうだ。
おそらく、辛味噌でスパイシーな味付けの調整をしていたのであろう。

最近では、社内で披露する事が多いこの『ピビンパ』。

久しぶりに、オカンの味で食べたいなぁ。

ビビンパ
WRITER Taishi Joh

沖縄にルーツを持つ父親と、韓国人の母との間に産まれ、幼い頃から日本食とは一風変わった食卓で育ちました。
転勤族の父親に付いて、全国津々浦々に移り住み、グルメな母親の影響で週に一度は外食をしていました。
それでもやはり、一番好きな食事は母親の手作りです。母も小まめに料理を作り、夕飯の家族一緒の団欒はかけがえのない想い出です。
今でも月に一度の頻度で、田舎の特産品や母親手作りの常備菜が届きます。
そんな私が、もう永住するしかないと決めた大好きな街、金沢。
其処から全国、ひいては全世界に向けて食のあり方を発信することが出来る私たちの会社を誇りに思い、末端ながらお仕事出来る喜び…と、美味しい賄いを噛み締めている毎日です。