どの国にもモデルアパートメントという無法地帯がある。(と思う)
世界各国から集ったモデルの住まいを、事務所とマンションが提携して用意してくれるのだ。
当然の事ながら毎晩騒ぐ。
いや晩だけじゃなく朝から日がなはしゃぐ。
特に香港がひどかった。
まず香港はモデルの優遇がハンパじゃない。
顔を出すだけでお小遣いをくれるクラブまであった。
LKF(規模と乱痴気度が六本木を10倍ぐらい濃縮した通り)は、ダメモデルを腐らせるには最高の環境でした。
ラトビア出身16歳の女性モデル
出会いはルームメイトの彼女として。
日本に招聘された経験も有り、初対面での挨拶は I loooove miso soup!!
熱烈な親日家ですぐに打ち解けることが出来た。
日本人がどれだけ自分に親切にしてくれたか
日本の食文化がどれほど素晴らしいか
彼女はとにかく日本をべた褒めしてくれた。
拙い英語で夢とか幼少時代などを語り明かし
おっさんは青春していました。
そんな彼女がある日体調を崩してしまう。
私は彼氏に持参していたインスタント味噌スープを渡してくれとお願いするも、自分で渡せと断られる。バルセロナの試合を見たかったのだろうw
そうして私は彼女のモデルアパートメントへ向かい、弱った彼女へ味噌スープを渡した。
彼女はアリガトウといい握手をした。
わらしべ長者 in HongKong
数日後回復した彼女からお礼がしたいと連絡が来た。
手料理を作ってくれるというのだ。
彼女からルールが一つ
私が住んでいた部屋のキッチンは個室でドアが付いていたのですが
調理中そのドアを開けてはいけないというものでした。
しかし開けなかったとて当然声はダダ漏れ
ラトビア語は全くわからないけれど
友達かお母さんに作り方をスカイプで聞いていたのだと思います。
そこまでして作ってくれた一品。
グッとくるボロネーゼがこちらです。
美味しくないわけがない。
今も忘れられない思い出の一皿です。
ちなみにスペイン人の彼氏が作るスパニッシュオムレツも最高でした!
歳を重ねるにつれしみじみと思うのですが、私の母は料理が得意ではなかったと思います。手抜きをするわけでもなく、特別に凝るわけでもない母の手料理。それでももし死ぬ前に何が食べたいか?という質問をされたら、私は即こう答えます。
母の豚の生姜焼きです。