2020.06.20

世界の郷土料理事典【私の食のオススメ本】

  • 書名:世界の郷土料理事典
  • 著者: 青木ゆり子(e-food.jp代表)
  • 発行所:誠文堂新光社
  • 発行年:2020年

表紙タイトル下に「全世界各国・300地域 料理の作り方を通して知る歴史、文化、宗教の食規定」と書かれている。

世界料理マップという情報サイトを運営している、各国郷土料理家・青木ゆり子さんがまとめたレシピ事典。

A5版300ページ超えの紙の本にまとめる意味は何だろうか?それはキーワード検索ではなく、<何気なしペラペラめくり感>への回帰なのだろうか?

北マケドニアの料理を探すこともなく、タフチェ・グラフチェという料理は想像もできなく、ブルンジ王国のボコ・ボコ・ハリースは国すら知らなかった。

モーリシャス料理にはタコのカレーがあるんだとか、赤道ギニア料理のペッパースープは渋谷のアフリカ料理屋でむかし食べたぞ、うん確か山口百恵が完食したサインがあった、なんてことも思い出す。

そういえば、事典なんてそんな使い方だったよね。探した項目の隣にある内容が気になって読み出したり。

紙の本にした意味がまたわかった。

今日は、インド料理のキチュリかミーン・モリー、タジキスタン料理のクルトップかキルギス料理のベシュバルマク、それとも最近流行りのジョージア料理、ハチャプリかシュクメルリに挑戦してみようか。

WRITER Joji Itaya

出版にたずさわることから社会に出て、映像も含めた電子メディア、ネットメディア、そして人が集まる店舗もそのひとつとして、さまざまなメディアに関わって来ました。しかしメディアというものは良いものも悪いものも伝達していきます。 そして「食」は最終系で人の原点のメディアだと思います。人と人の間に歴史を伝え、国境や民族を超えた部分を違いも含めて理解することができるのが「食」というメディアです。それは伝達手段であり、情報そのものです。誰かだけの利益のためにあってはいけない、誰もが正しく受け取り理解できなければならないものです。この壮大で終わることのない「食」という情報を実体験を通してどうやって伝えて行くか。新しい視点を持ったクリエーターたちを中心に丁寧にカタチにして行きたいと思います。