2020.09.26

限界突破ショウガで限界を超えるモスコミュールを!

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コロナと言えばビールしか思い浮かばなかった、ちょうど1年くらい前に博多へ旅行する機会があった。夕食後どうしても行きたいBARがある、という旦那さんと一緒に訪れた「バーヒグチ」。蒸留酒好きな旦那さんは旅先ではBARに行き「一期一会だ!」と喜んでなんだか高級な1杯を楽しむ。

正直よくわからない。

ワインも蒸留酒も「これ、美味しい!好きな感じ」な感覚的に楽しむ私とは真逆の楽しみ方をする男である。今日も色々うんちくを聞きながら飲むのかな?と思いつつドアくぐると、目に飛び込んできたのは、ズラっと並ぶ生姜を漬けた瓶。聞くとモスコミュールの名店らしい。

あまりカクテルを飲まない私でも知っている「モスコミュール」。ウォッカベースのカクテルでジンジャーエールを加えてライムをしぼって作るらしいが、このお店のはウォッカに生姜を漬け込んだリキュールを使って作ってくれるらしい。

バーヒグチのモスコミュール

飲んでみると目からうろこ。ピリリと辛口のすっきりとした味。生姜のうまみがすごい!これがモスコミュール?今まで飲んでたのはジュースか?と思うくらいの違いがそこにはあった。

美味しさの秘密は、生姜の漬け方にあるらしい。ウォッカに生姜を2か月ほど漬け込み、一度引き出し、カットしてさらに漬け込むとのこと。追い漬けだ。手間と愛情たっぷりの生姜ウォッカ。これを飲むためだけにまた博多に来たい!と思うモスコミュールだった。

自粛の中、懐かしいモスコミュールの写真を眺めていると、ある企みが浮かんだ。うちで美味しいモスコミュールを飲みたい!という考えだ。それならショウガ漬けこまないと!

そして同時に、ある特別な生姜を思い出した。友人が以前プレゼントしてくれた生姜なのだが、その名を「限界突破ショウガ」という。

高知の逸品、限界突破ショウガ

限界突破生姜

限界突破ショウガを作っている農園の名前は「ラッキー農園」。「限界突破ショウガ」で「ラッキー農園」。ネーミングから色々気になる。

ラッキー農園は日本で最初に限界自治体(65歳以上の人口が50%以上)になったことで知られる高知県の大豊町にある。断崖絶壁の近代的農業にとって条件の悪い土地はどんどん過疎化が進み、70歳で「若手」と呼ばれるほどだそう。

その限界集落を突破したい、自らにも限界を設定せずに農業に取り組みたいと札幌から移住した若いご夫婦がトマトと生姜を作っている農園。ホームページを見ると、ご主人をラッキー1号、奥様をラッキー2号と呼び、生姜やトマトの被り物を身に着けたお二人の写真まで出てくる。ちょっとふざけている(ラッキーご夫婦すみません!)。でも、ここの生姜はすごいのだ。

美しい水で農薬を使わずに作っているというショウガ。手間ひまかけるほど、えぐみのない爽やかなショウガになるという。収穫も手掘りで丁寧に行われているというこのショウガの違いを伝えるのは難しいが、力強さを感じる。

これは土地の力なのか、二人の努力の結晶なのかはわからない。でも、うちのモスコミュールにはこれしかない!と思ったのだ。ヒグチのような味は出せなくとも、ショウガの力を借りたら美味しくなるに違いないという予感。

さっそく、ショウガを注文。届いたダンボールに手書きのメッセージが!そうそう、こういうとこ!大切に育てられたというのがビシビシ伝わってくるし、ラッキーも一緒に届いたような感じがして口元がほころぶ。

実は以前にもショウガをウォッカに漬けたことがあるわが家だが、マスターのアドバイス前だったのでカットせずそのまま漬けていた。今回は先生の教えをしっかりと守り漬け込み。漬け込むウォッカは手頃な価格のものでよい。むしろ手頃な価格のものが良い。

今回はコストコで購入した大容量のウォッカを使用。瓶を消毒して、あとはヒグチ流に漬け込むだけ。時間が育ててくれる。余談だが、カットをした限界突破ショウガは恐るべき速さでウォッカは1カ月でいい色をつけた。

試しに飲んでみる。美味しい!ショウガのうまみが口の中に広がる!にんまり。もう飲める!とばかりにジンジャーエールを調達。この味を自宅で楽しめるとは!という大満足の仕上がりになった。いや、うまくできすぎて、じゃんじゃん飲むのを躊躇するくらい。

でも、飲めば飲むほど博多に行きたくなるというおまけつき。やっぱりBARの雰囲気付きのモスコミュールには叶わない。いつかラッキー農園のご夫妻にも会ってみたい。ショウガがこんなにすごいんだからトマトも食べてみたいね、などと旅と食の妄想を膨らませながら飲むお酒時間もまた楽し。漬け込み酒っていいな。次は何を漬けようかな。

金沢生まれ、金沢育ち。地元ケーブルTV局のアナウンサーを経て司会業をする一方、器好きが高じて木と漆を扱う輪島キリモト金沢で販売や企画なども経験。食べることが好き、人が好き。それを両方味わえる食事の時間は私にとって至福の時間。

残念ながら幼稚園児がいる現在のわが家の食卓は、ゆっくり話すというよりは戦場のような慌ただしさがありますが、その中で見つけたささやかな幸せと、地元ならではの金沢の「食」も発信できればと思います。

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