- 書名:あたらしい食のABC
- 著者:服部みれい
- 発行所:WAVE出版
- 発行年:2012年
まず、この本は、食べもの辞典ではない。
自分は肉も魚も興味があれば、コンビニの新しい惣菜シリーズも端から試す様な人間だ。なので、ヴィーガン、マクロビオテック、アユールベーダー、タオとかの世界から断定的に食の話をする人は苦手かもしれない。肉を食わないなんて、ケッと排除する人はもっと苦手だが。
これはその世界を極めてるのだろうと思われる筆者、服部みれい氏が個人的に考える食への対峙の仕方を伝えるエッセイ本だ。「私はこう思っているんです」という語り口がやさしい。そうだよね、という部分が多い。時折り解明できない世界の話もでてくるのではあるが。
服部みれい氏は精神と身体を自然に近づけるため東京から岐阜美濃へ仕事場をスタッフ、家族とともに移住した編集者で詩人で文筆家。murumur magazinの編集長。肉はもちろん牛乳も食さなくなったが、あげものが一番好きでバタートースト研究会は主宰しているらしい。(2012年当時)
原宿の福よし(とんかつ、揚げ物)、ナポリタン、小川軒のレイズン・ウイッチの話もでてくる。好きな食べ物としてである。ページをめくってこの見出しがあったのでヴィッレジバンガードのコーナーからレジに持っていたわけである。
出版にたずさわることから社会に出て、映像も含めた電子メディア、ネットメディア、そして人が集まる店舗もそのひとつとして、さまざまなメディアに関わって来ました。しかしメディアというものは良いものも悪いものも伝達していきます。 そして「食」は最終系で人の原点のメディアだと思います。人と人の間に歴史を伝え、国境や民族を超えた部分を違いも含めて理解することができるのが「食」というメディアです。それは伝達手段であり、情報そのものです。誰かだけの利益のためにあってはいけない、誰もが正しく受け取り理解できなければならないものです。この壮大で終わることのない「食」という情報を実体験を通してどうやって伝えて行くか。新しい視点を持ったクリエーターたちを中心に丁寧にカタチにして行きたいと思います。