2019.12.07

スペシャルティ珈琲のすすめ

金沢の橘珈琲店のスペシャルティコーヒー

2019年10月開業予定 レストランスタッフ大募集!

金沢市茨木町にある橘珈琲店で2019年12月3日に開催された「おとな珈琲店へようこそ!」というスペシャルティ珈琲を味わうイベントに行ってきた。ちなみに「スペシャルティ珈琲」とは、どこの農園で誰が作った豆かがはっきりわかり、さらに一定以上の品質を持った珈琲をいう。

お店は金沢市中心部の茨木町にある。金沢21世紀美術館からも徒歩圏なものの、大通りからちょっと入った場所にあるせいか閑静な場所。お店で焙煎もされているため、朝は焙煎のいい香りが鼻孔をくすぐる。

あらかじめ言っておくが、私は品種や焙煎などの珈琲知識はほぼゼロ。チョコと珈琲ってサイコー!と思っているただの珈琲好きだ。

入店して席に置かれているのは当日の珈琲リスト。その中には「(リストに書かれている)スペシャルティ珈琲がすべて無料。ご注文は受け付けいたしません」との一文が。「あら、選べないのか・・・。でもこんな沢山の中から選ぶとかムリ!むしろ良かった♪」と思ったりもする。

生産国や農園、品種、焙煎度合などがちっちゃな字でびっしりと書かれたリストを見ながらしばらく待つと、淹れたての一杯の珈琲が運ばれてくる。
「どうぞ。」最初はこの「どうぞ。」だけでどの珈琲かは教えてくれない。周りを見ると、どうやら飲んで考えてみてね!的な空気。ワインなどであるブラインドテイスティングみたいなのね?と、とりあえず皆を真似て香りをクンクン。リストにある、特徴(店主の主観で書いたから人それぞれ違うよ!と言われましたが)を頼りに、これは、マスカット?チョコレート?レモン?と考えてみる。珈琲に詳しくない私はどの香りにも感じてしまう。(鼻、大丈夫か?w)

あまりのわからなさに、たまたまお隣に友人が座っていたのでクンクンさせてもらう。彼女の飲んでいたのはコロンビアの「ラ・ミエル・ゲイシャ・ナチュラル」という珈琲で甘くトロピカルな香りらしい。クンクンクン。確かに!なんだかトロピカル!これがトロピカルなのね!と勝手に分かった気になり、自分のにもう一度トライ。

やっぱりわからない(笑)

香りを楽しんで、やっと一口。

爽やかな酸味を感じる。そこで、候補を絞ってみる。沢山のリストの中から私が選んだのは美しい酸味があり、ボジョレー・ヌーボーの赤ワイン樽で熟成したという、グァテマラの「ジャスミン・ティピカ・ボジョレーバレルエイジド」という珈琲。

「何だと思う?」というニコニコ顔の店主。

「グアテマラのこれですか?」

「ハズレ。」さらにニコニコ。「焙煎からして違う。」

・・・撃沈。大撃沈。

と思ったら、まわりも撃沈だらけ。「ハズレ」連発にホッと一安心。

答えはインドネシアの「ガヨ・ワイニー・マイクロロット」という珈琲。焙煎は中煎り。私が選んだジャスミン・ティピカの焙煎はRaw。Rawってなんだよwと心で突っ込む。店主によると、Raw珈琲とは生の珈琲豆を熱による焦げ・損傷を極限まで抑え低温で処理した珈琲で、雑味を生成させず豆の持つポテンシャルを最大限に引き出す方法で作った珈琲だとか

新品の様なピカピカの焙煎機は15年物の故障知らず。毎日の丁寧な掃除が重要と語る店主。

改めてリストの珈琲の特徴を見つめてみる。「熟しすぎたパイナップルとマンゴーをミックスしたようなトロピカルで熟成感のある香り。ジューシーな酸味と甘み、味噌のような発酵香もあるマニアックなワイニー珈琲」。面白いもので、答えを聞くと、そんな香りに感じてくる素直な私(笑)。

ワイニーとは、精製方法(プロセス)で、発酵ギリギリのナチュラルプロセスで作られた豆の商品名だそうで、発酵により豆が全部ダメになる危険もある製法とのこと。

ここまでくると、珈琲の奥深さに頭がクラクラしつつも、やはり美味しいものは美味しい!と少々やさぐれて思考を止め、味わう。ワイニーはアイス珈琲にも向いているそうで、かなり時間をかけて飲んでいるにも関わらず、冷めても美味しい!珈琲の酸味が苦手、と思っていたけど、この酸味はアリ!いや、大アリ!

「珈琲の酸味があるのは嫌い」と言う人は多いらしいが(私もその一人)、その人たちが言う「酸味」はまずい焙煎によって生成される酸味成分と酸化したことによって出てくる酸味成分なのだとか。

豆によって焙煎、挽き方、淹れ方が異なる。

ちなみに、このイベントは、無料なため基本は1杯のみ。美味しい!と思ってもこの日は豆の販売もしないのだとか。しかも皆飲んでいるものが違う。聞くと、常連さんにはその方の好みとは違う普段絶対頼まないものを出すらしい。この日も、新たな発見をしている人が沢山いた。

また、いつも満席で大賑わいだというイベントらしいが、たまたま雨が強くてゆったりな日だったせいか、もう一杯ご馳走してくれた。(ラッキー!)同じように考え、また爽やかな酸味!と思いワイニーだ!と言ったら「ハズレ。これこそジャスミン・ティピカ・ボジョレーバレルエイジドだよ。」

・・・また撃沈(笑)

店主に遊ばれているな、と若干感じるも、それもまた楽し。

一杯飲めば、さらに色々な生産地・品種・プロセス・焙煎の珈琲を飲んでみたくなる、スペシャルティ珈琲入門編というか、楽しい珈琲ラビリンスへようこそ!な感じのイベントだった。

次に行くときは「おまかせ」で一杯頼んでみるのもいいな、と、味や風味、後味もがらりと変わった2杯目を飲みながら、次はいつ行こうか?とまんまと策略にハマる。珈琲初心者も上級者も楽しいイベント。不定期開催なので、お店のHPなどをチェックしてまた行こう!ご馳走様でした!

橘珈琲店 金沢市茨木町56-3

金沢生まれ、金沢育ち。地元ケーブルTV局のアナウンサーを経て司会業をする一方、器好きが高じて木と漆を扱う輪島キリモト金沢で販売や企画なども経験。食べることが好き、人が好き。それを両方味わえる食事の時間は私にとって至福の時間。

残念ながら幼稚園児がいる現在のわが家の食卓は、ゆっくり話すというよりは戦場のような慌ただしさがありますが、その中で見つけたささやかな幸せと、地元ならではの金沢の「食」も発信できればと思います。