”KNOWCHさん北陸ですよね、農業できない冬の雪の時期は何やってるんですか?”
と今週だけでも100人には訊かれた。
本当は3人に訊かれた。
本当の本当は2人だけに訊かれた。
KNOWCHの冬は意外と忙しいのである。
KNOWCHの男衆は霊峰白山麓にあるスキー場運営のお手伝い。
業界用語で”索道部隊”に所属。
要するにリフト係全般の業務にあたる。
KNOWCHの女衆は金沢駅前にあるフードホール運営のお手伝い。
業界用語で”COOK”に所属。
要するに・・・要するに、、要するに調理業務にあたる。
スキー場は冬の積雪期が繁忙期であり、期間スタッフの確保に苦慮している。
フードホールは年末年始のアルバイトスタッフの確保に苦慮している。
農業法人立ち上げ当初は、冬もビニールハウスで加温して農作物を作ろうかなと考えた時もあったが、昨今のSDG’s的にいかがなものかとも思い出していた。また、必要とされていて、それが地域の役に立つことであれば、協力したいなという直感も持ってはいた。
今風に言うと”ワークシェアリング”となるのだろうが、昭和風に言うと”出稼ぎ”なのだろう。
「農業法人入ったはずなのに、”スキー場に行ってくれ”、”フードホールに行ってくれ”、と言うと、もしかしたらネガティブな反応が返ってくるかも・・・」
と内心ビビりながら、期間出向の旨を弊社スタッフに伝えたところ
「入社試験時から”変な会社だな。農業以外もさせられるかも”と覚悟していたので、大して驚かないですし、嫌でもありません。やるべきことをやって結果を出すだけです。」
百の生業を意味する「百姓」とは彼らのことなのかもしれない。
食べるための争いも経てきた人類が、やがて種から農作物をつくり、農作物を飼料とした畜産も生み出しました。その後、世界人口の増加に合わせるかのように農業技術は進化を遂げ、今日まで世界の胃袋を満たしてきました。一方で、耕作放棄地、農業従事者の高齢化、フードロス、フードマイレージ、有り余る農作物の国家間の押しつけ合いなど、様々な問題もあるのが現実です。OPENSAUCEの『KNOWCH』プロジェクトでは、問題に農家の視点から取り組みます。