- 書名:進化するBAR
- 企画:Drink Planet
- 発行所:柴田書店
- 発行年:2016年
Drink Planet(ドリンク・プラネット)というバーとお酒に関する情報を発信する会員制WEBサイトが企画、コーディネーションした「日本のバーの進化を伝える」一冊。
2010年前後で海外のバー・シーンでは新感覚のカクテルがどんどん登場してきた。それを受けて、日本のバーテンダーの技術・正確さ・清潔感と美しさに加え「探究心」が、カクテルメイキングを驚くほどの進化させた。本書では進化の20の要因を解説し、実際のバー21店を詳細に案内している。
20の要因とは、まずジン・ルネッサンス時代と言われるようになったクラフトジンの台頭。そしてファーム・トゥ・バーというフルーツやハーブを生産者からカクテルまでを一貫して管理する概念。
そしてボタニカルとメディカル・リキュール、さらにビターズと進み、それに欠かせないインフューズという抽出と蒸留。
小さいグラスで低アルコールのヘルシーコンシャスなタパステイルズ。塩気のある甘くないセイヴォリー・カクテル。そしてノンアルコール・カクテルの代名詞モクテルの定着。数人でシェアするシェアラブル・カクテルとパンチ。
バーのスタイルとして見直されたスピーク・イージー時代の内装。カクテルをあらじめミックスしたボトルドカクテル。さらにそれを熟成させたバレルエイジドカクテル。
バーテンダーとバリスタとのなくすコーヒーの利用。トニックウォーターやソーダにおける自然派の割材。古典回帰スタンダードカクテルと、遊び心をもったひねりのツイストカクテル。
さらにここ数年で勢いを増す日本製のリカー類ジャパン・プロダクツ。フードペアリング、バーテンダーvsミクソロジスト。
これを読めば、いままでのバーのイメージがガラリと変わるはず。そしてクラシックなバーの世界が残したものも理解できる。
出版にたずさわることから社会に出て、映像も含めた電子メディア、ネットメディア、そして人が集まる店舗もそのひとつとして、さまざまなメディアに関わって来ました。しかしメディアというものは良いものも悪いものも伝達していきます。 そして「食」は最終系で人の原点のメディアだと思います。人と人の間に歴史を伝え、国境や民族を超えた部分を違いも含めて理解することができるのが「食」というメディアです。それは伝達手段であり、情報そのものです。誰かだけの利益のためにあってはいけない、誰もが正しく受け取り理解できなければならないものです。この壮大で終わることのない「食」という情報を実体験を通してどうやって伝えて行くか。新しい視点を持ったクリエーターたちを中心に丁寧にカタチにして行きたいと思います。