- 書名:激辛課長 New edition1
- 著者:前田 悠
- 発行所:講談社
- 発行年:2021年
激辛好きな部下の”美人OL”と過去の恋愛トラウマで辛いものが苦手なのに「辛いものに目がないと」見栄を張ってしまった上司が、実在の激辛料理店での「デートのようなもの」を続けるコメディ漫画。
ある意味典型的な”美人OL”が”気があるのでは妄想”をベースにした男の視点でのストーリーなのでかなりの古さを感じさせて、ほんとは時代には合わないのだろうなと思う。
しかし、食事のたびに激辛料理で地獄へ堕とされる課長であるが、二人のズレた激辛コミュニケーションで徐々にトラウマが消えていく。
中国家庭料理「味覚」の麻婆豆腐。下北沢の「マジックスパイス」のポーク角煮カレー・辛さアクエリアス。本所吾妻橋「モンティ13」のタイ料理。新大久保「幸ちゃん」の韓国炭火焼チキン。南青山・焼肉薬膳「雑草家」のホルモン・地獄鍋。石神井公園・麺処「井の庄」の辛辛魚ラーメン。四ツ谷メキシコ料理「EL・ARBOL(エル・アルボル)」のハバネロの肉詰め。埼玉県北与野・武蔵野うどん「藤原」のジョロキア地獄。
これは第一巻で二巻もあるのでまだまだ課長の地獄は続く(毎回激辛度の表現がたいへんだなあと思う)。
しかし、やはり個人的には激辛を食べたいという気持ちは理解し難いのだが、激辛をセールスにできる店舗が廃れないのというのはそれだけのマーケットがあるからで、この漫画はそういう意味で勉強になる。
ちなみにこの漫画の情報は、激辛好きが高じて会社員をやりながら世界の唐辛子を栽培しているpeppers.jpの代表の「自分が卸している店がでてる」というSNSで教えてもらった。
出版にたずさわることから社会に出て、映像も含めた電子メディア、ネットメディア、そして人が集まる店舗もそのひとつとして、さまざまなメディアに関わって来ました。しかしメディアというものは良いものも悪いものも伝達していきます。 そして「食」は最終系で人の原点のメディアだと思います。人と人の間に歴史を伝え、国境や民族を超えた部分を違いも含めて理解することができるのが「食」というメディアです。それは伝達手段であり、情報そのものです。誰かだけの利益のためにあってはいけない、誰もが正しく受け取り理解できなければならないものです。この壮大で終わることのない「食」という情報を実体験を通してどうやって伝えて行くか。新しい視点を持ったクリエーターたちを中心に丁寧にカタチにして行きたいと思います。