2020.06.12

角岡伸彦
ホルモン奉行【私の食のオススメ本】

  • 書名:ホルモン奉行
  • 著者:角岡伸彦
  • 発行所:新潮文庫
  • 発行年:2003年

この本は狂牛病、BSE発生の1年後に書かれている。ホルモン・ヘッズとも言える地方紙記者出身のノンフィクションライター角岡伸彦は、そのこともきっちり取材して書き込んでいる。

著者は部落問題の著書が多いので、何やら風向きが、と思うのだが「ようこそホルモンの世界」へとディープに美味探求への旅へと誘い込む。

そして読み進むにつれ、食は歴史と生活が産み落とした文化でありアイデンティティーであることがわかってくる。

気になるワードを拾って見る。

新世界名物ホルモン煮/生ホルモン/牛の腸/センマイの酢和え/大阪・向野のホルモン料理/元祖ホルモニスト/珍しい部位の料理法/ホルモンDEしゃぶしゃぶ/油かす料理/油かす郷土料理のミソとドロ/祇園の肉割烹お/天日干しのサイボシ/牛の脳のタコス/犬もうまいで〜/BSEの終焉と危険部位の解除/沖縄の内臓文化/タン(舌)タウン

WRITER Joji Itaya

出版にたずさわることから社会に出て、映像も含めた電子メディア、ネットメディア、そして人が集まる店舗もそのひとつとして、さまざまなメディアに関わって来ました。しかしメディアというものは良いものも悪いものも伝達していきます。 そして「食」は最終系で人の原点のメディアだと思います。人と人の間に歴史を伝え、国境や民族を超えた部分を違いも含めて理解することができるのが「食」というメディアです。それは伝達手段であり、情報そのものです。誰かだけの利益のためにあってはいけない、誰もが正しく受け取り理解できなければならないものです。この壮大で終わることのない「食」という情報を実体験を通してどうやって伝えて行くか。新しい視点を持ったクリエーターたちを中心に丁寧にカタチにして行きたいと思います。