2026.07.15

一蕎麦一温泉 二杯目 本当のおろし蕎麦 〜生そば 新保屋〜

先日の身勝手なマイブーム宣言から、まだたったの一週間。『鉄は熱いうちに打て』ではないが「蕎麦はこのムーブメントの最中に喰っておけ!」とばかりに、今週も福井へ足を運んでみた。

この日の気温は33℃。
今夏一番の暑さだったようだ。

そんな日に選んだ一軒が、三国の「生そば 新保屋」だ。ここの最大の特徴は、おろし出汁のおそばだ。

11時58分に暖簾をくぐると、駐車場にはまだ一台も車がない。
初来店のわたしは「今日は空いているのかな?」と、思ったのも束の間、食べ終える頃には店内は満席。
人気店とは、こういうものなのだろう。

メニューは潔く7品のみ。周りを見渡せば、皆がおろしそばを啜っている。

ならば私も、と言いたいところだが、欲張って冷やし山かけそばをお願いした。

ひと口。

「……あれ? 思ったほど辛くない。」

ふた口。

「いや、やっぱり辛い。」

思わず涙が滲む。

辛味大根のおろし出汁は、山葵とも違う。芥子とも違う。
鼻へ抜ける鋭い刺激が尾を引き、今まで経験したことのない辛さなのである。

だが、不思議と箸は止まらない。

辛い。けれど、もうひと口。

気が付けば、その繰り返しだ。

姉が食べたおろし天ぷらそば

冷たい蕎麦が喉を滑り、おろし出汁が身体の熱を少しずつ連れ去っていく。

食べ終わる頃には、本当に体感温度が下がったような気がした。

暑気払いとは、こういう一杯を言うのかもしれない。

福井・三国のおろし蕎麦。

その奥深さを知れば知るほど、「一蕎麦一温泉」の旅は終わりそうにない。

うーむ。憎いぞ、福井の蕎麦。

まだまだ、どっぷりハマってしまいそうではないかッ!!
スカッと食べ終えた後は、相棒である姉と美肌の湯へ。このルーティンはこの夏、始まったばかりなのだ。

WRITER Taishi Joh

沖縄にルーツを持つ父親と、韓国人の母との間に産まれ、幼い頃から日本食とは一風変わった食卓で育ちました。
転勤族の父親に付いて、全国津々浦々に移り住み、グルメな母親の影響で週に一度は外食をしていました。
それでもやはり、一番好きな食事は母親の手作りです。母も小まめに料理を作り、夕飯の家族一緒の団欒はかけがえのない想い出です。
今でも月に一度の頻度で、田舎の特産品や母親手作りの常備菜が届きます。
そんな私が、もう永住するしかないと決めた大好きな街、金沢。
其処から全国、ひいては全世界に向けて食のあり方を発信することが出来る私たちの会社を誇りに思い、末端ながらお仕事出来る喜び…と、美味しい賄いを噛み締めている毎日です。