2026.07.07

一蕎麦一温泉

一蕎麦一温泉。

突然だが、最近のマイブーム。

それは「蕎麦」と「温泉」。

美味しいお蕎麦を食べて、ゆっくり温泉に浸かる。
私は勝手に、この休日の過ごし方を『一蕎麦一温泉』ムーブメントと呼んでいる。

私は石川県金沢市に住んでいるのだが、この春、実の姉夫婦が旦那様の転勤を機に福井県・芦原温泉へ引っ越して来た。

姉は前職を退職し、現在は少し時間に余裕があることもあって、このマイブームに付き合ってくれる最高の相棒だ。

美味しいお蕎麦を探して、温泉でひと息。
食いしん坊な弟と、美肌を目指す姉。
そんな姉弟の、ゆるい珍道中である。

以前、このコラムで「出雲の割子そば」について寄稿した。

出雲の割子そば

昔から慣れ親しんできた割子そばだが、まさか福井県でも出会えるとは思ってもいなかった。

今回訪れたのは、そば処 あおき

お店を調べていて「割子」の文字を見つけた瞬間、期待値は一気に上昇。
しかも姉の家からも近い。行かない理由が無いのである。

出雲の割子そばとは、朱色の小さな丸い器に少量ずつ盛り付けられ、それぞれの味を楽しむスタイル。

ただ、ひと口に「割子そば」と言っても、福井と出雲では少し趣も異なる。

出雲では、つゆは別添え。
一段ずつかけていただき、残ったつゆを次の器へ移していくのが特徴。

一方、福井の割子は、おろしそば文化ならでは。
最初からつゆがたっぷり染み込み、おろしや山菜、とろろ等何それぞれ異なる味わいが一度に楽しめる。

今回いただいた割子そばは、つゆが別添の天そば・おろしそば・冷やし山かけ・そして山菜そばだ。

どれもつゆはほんのり甘めで、出雲を思わせる優しい味わい。

そういえば、出雲の割子そばは三枚や五枚と奇数で提供されることが多いが、福井では四種類の味と偶数での提供。
そんな地域ごとの違いを見つけるのも、旅の醍醐味である。

どちらが美味しいかと聞かれたら…。

正直、甲乙はつけられない。

同じ「割子そば」という名前でも、それぞれの土地に根付いた文化があり、それぞれにちゃんと美味しい。

だから面白い。

福井には、まだまだ気になるお蕎麦屋さんがたくさんある。

さて、次の『一蕎麦一温泉』はどこへ行こうかな。」

そんなことを考えながら、今日もまた、姉を誘って出かけようと思う。

WRITER Taishi Joh

沖縄にルーツを持つ父親と、韓国人の母との間に産まれ、幼い頃から日本食とは一風変わった食卓で育ちました。
転勤族の父親に付いて、全国津々浦々に移り住み、グルメな母親の影響で週に一度は外食をしていました。
それでもやはり、一番好きな食事は母親の手作りです。母も小まめに料理を作り、夕飯の家族一緒の団欒はかけがえのない想い出です。
今でも月に一度の頻度で、田舎の特産品や母親手作りの常備菜が届きます。
そんな私が、もう永住するしかないと決めた大好きな街、金沢。
其処から全国、ひいては全世界に向けて食のあり方を発信することが出来る私たちの会社を誇りに思い、末端ながらお仕事出来る喜び…と、美味しい賄いを噛み締めている毎日です。