2020.05.01

美味しいお塩があれば

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この文章を書いているのは2020年4月13日。石川県に緊急事態宣言が出された日だ。クルーズ船の感染報道が1月下旬だったからそこから約3か月。今思うと、当時は対岸の火事という意識だったように思う。とはいえ、仕事にも少しずつ影響は出てきていて、2月上旬に担当していたイベントで海外から参加するはずだったゲストが出国できずに欠席という事もあった。

オフィスのマスク率も日に日に増えていった。業務にも影響が出始めてはいたが、恥ずかしながら私自身の危機意識は、オリンピックの延期、子どもの頃に釘付けになって観ていたコメディアンの死をしてやっと高まったような気がする。

4月に入ってからは、わが家でも勝手に外食禁止令。SNSでは料理研究家の方などが繰り広げるお家での料理動画が人気らしい。わかる。家にずっといると、ストレス発散、楽しみは食だ。食べた次の瞬間から次のご飯何にしようか、とそんな会話まで飛び出す始末。

そこで現状のわが家の食卓を助けているものを考えてみた。塩だ。美味しい調味料さえあれば美味しくなると思っているわが家のキッチンには塩が何種類もある。おにぎり用の塩、ステーキにかける粗い塩にピンクソルト…。日本のもの、海外のものなど数えてみたら5種類以上あった。

最近の流行りは、旬の食材に塩パラリ、そしてオリーブ油タラーリだ。これ、レシピです(笑)。

いつもは豆腐をこの食べ方で楽しんでいるが、旬の素焼きしたタケノコに塩とオリーブ油はタケノコの甘みが最高に楽しめた。また、去年お取り寄せした農家から「初物出ました」のメッセージが届きすぐに注文した水ナスは手で割いてそのまま生で塩とオリーブ油。(これはオリーブ油と削りたての粉チーズでも美味しかった)。

水なす

また、暇をもてあます子どもとは、おにぎり屋さんごっこをするなどして、母はこっそり料理男子の道へ誘っている。自分で作ったおにぎりは少々不細工でも何倍も美味しいらしく「おかわり!もう一個作りたい!」の元気な声も聞ける。

リモートワークをしながらの食事は、煮込んだり漬け込んだりしてじっくり待つ料理かパパっとできる料理が嬉しい。塩とオリーブ油をかけるだけで最高♪という私にも作れる究極の手抜き料理(あ、言ってしまった)を深めていきたい今日この頃。

ちなみにOPENSAUCEでは、レストランシェフのメニューが家庭で見ることができるレシピ共有サイトがスタートした。

レストランで出るような美味しいレシピを見ながら、こんな時だからこそ笑顔で料理と会話を楽しみたい。そして、さらに願うなら素敵なレシピを共有くださったシェフがいるお店での時間を楽しめる時が早く来ますように。

text:Ryoko Takakuwa
(本稿はOPENSAUCE元メンバー在籍中の投稿記事です)