- 書名:食と農の社会学 生命と地域の視点から
- 著者: 桝潟俊子・谷口吉光・立川雅司
- 発行所:ミネルヴァ書房
- 発行年:2014年
2016年にはすでに3刷りめとなっている。身近にある具体的なトピックで記述された、社会学から読み解く「食と農」に関する入門書と言える。
現代の食と農はグローバル化と工業化が進んでいるが、それらを多角的・比較的に分析。新しい視点での提示がある。
キーワードを羅列すると、
地球とともに生きる食と農の世界/食料主権/食と農をどう捉えるか/食と農の尊厳性/多国籍アグリビジネス/地域ブランド/農業・食料のグローバルガバナンス/農業開発/都市と農村の交流はなぜ必要か/グリーンツーリズムは農村に何をもたらしたのか/雑食動物/食行動のタコツボ化
段落が少なく、文字だらけなので読むには抵抗があるかもしれない。
まとめられた時期を考えても提起されている問題も未だ着手の部分も多く、特にこれから農業実践の道を歩もうとする人は網羅された内容の幅の広さからも、とりあえず必読。その後に検証・批判を持つべきテキスト。
出版にたずさわることから社会に出て、映像も含めた電子メディア、ネットメディア、そして人が集まる店舗もそのひとつとして、さまざまなメディアに関わって来ました。しかしメディアというものは良いものも悪いものも伝達していきます。 そして「食」は最終系で人の原点のメディアだと思います。人と人の間に歴史を伝え、国境や民族を超えた部分を違いも含めて理解することができるのが「食」というメディアです。それは伝達手段であり、情報そのものです。誰かだけの利益のためにあってはいけない、誰もが正しく受け取り理解できなければならないものです。この壮大で終わることのない「食」という情報を実体験を通してどうやって伝えて行くか。新しい視点を持ったクリエーターたちを中心に丁寧にカタチにして行きたいと思います。