- 書名:里山産業論
- 著者:金丸弘美
- 発行所:角川書店
- 発行年:2015年
農業の集約化、企業化、大規模化だけでは地域農業や地方の活力は生み出せないのではないか、持続可能な社会は生まれないのではないかと疑問を抱き、「食の戦略」という視点でまとめたのが本書だ。
「味覚を育むことは、豊かで個性的な子どもたちを育て、その人がたちが社会を変える」
著者・金丸弘美は多くの地方、田舎と言われるところを周り、生産者に自分のつくったものを説明するということを説いて歩いた。
金丸弘美はまず、スローフードがスタイルを指すのではなくNPOであること、生協の産直運動がフランスに渡った話などを取り上げ、日本人の思い込みによる間違った街づくりが続いていることを提示する。
そしてイタリア、フランスの「食の戦略」事例をとりあげ、一軒ではなく、地域全体の六次産業化をすることで日本の山間地・街づくりに「食育」や「食文化」による仕掛けがいかに重要かを語っているのが本書である。
出版にたずさわることから社会に出て、映像も含めた電子メディア、ネットメディア、そして人が集まる店舗もそのひとつとして、さまざまなメディアに関わって来ました。しかしメディアというものは良いものも悪いものも伝達していきます。 そして「食」は最終系で人の原点のメディアだと思います。人と人の間に歴史を伝え、国境や民族を超えた部分を違いも含めて理解することができるのが「食」というメディアです。それは伝達手段であり、情報そのものです。誰かだけの利益のためにあってはいけない、誰もが正しく受け取り理解できなければならないものです。この壮大で終わることのない「食」という情報を実体験を通してどうやって伝えて行くか。新しい視点を持ったクリエーターたちを中心に丁寧にカタチにして行きたいと思います。