- 書名:今さらながらの和食修行
- 著者:阿川佐和子
- 発行所:集英社
- 発行年:2002
料理は親の手伝いで幼少期よりやってきたもりだったエッセイスト阿川佐和子が「日本人なんだから、魚の一匹おろせなくてどうしますか!」と料理家の野口日出子氏に恫喝されて魚料理に目覚めることになった名著。
野口氏の手ほどきを受けながら、アジに始まり、玉子とダンスをし、天ぷらでは「どてら着せずにストリッパー」を唱え、松花堂な女になって行く。
料理の力は婚活の力、という今では女性蔑視と言われそうなところから始まったシリーズであるが、大笑いしながらも、何もできない落ちこぼれがスターになって行くような感動さえ覚え、魚料理、和食の本としては絶賛お薦め。
出版にたずさわることから社会に出て、映像も含めた電子メディア、ネットメディア、そして人が集まる店舗もそのひとつとして、さまざまなメディアに関わって来ました。しかしメディアというものは良いものも悪いものも伝達していきます。 そして「食」は最終系で人の原点のメディアだと思います。人と人の間に歴史を伝え、国境や民族を超えた部分を違いも含めて理解することができるのが「食」というメディアです。それは伝達手段であり、情報そのものです。誰かだけの利益のためにあってはいけない、誰もが正しく受け取り理解できなければならないものです。この壮大で終わることのない「食」という情報を実体験を通してどうやって伝えて行くか。新しい視点を持ったクリエーターたちを中心に丁寧にカタチにして行きたいと思います。