2020.06.09

甘酸っぱい想い出“ムルキムチ” オカンの韓国家庭料理VOL.③ ※素麺追加あり

きゅうりの水キムチ、ムルキムチ

韓国料理に辛くないキムチとして“ムルキムチ”と言う、通称「水キムチ」がある。

最高の栄養ドリンク・最強の美肌水と言われるこのムルキムチ。フルーツと好きな野菜で作れる家庭の味だ。

作り方は様々あるが、我が家のオカンの作り方をご紹介。

先ず、米の研ぎ汁を用意する。1回目の研ぎ汁は捨て、2回目の研ぎ汁を1リットル。

1回目だと米糠が多く、3回目だと風味が無くなってしまうらしい。

米の研ぎ汁に、ニンニクをすり潰したものを大さじ2杯、梨を半分すり下ろして加えて沸騰させる。

水キムチ作りレシピ、コメの研ぎ汁

ここで沸騰させて、一度冷ますのがポイントだ。

我が家の定番は、きゅうり・セロリ・蕪・大根など。野菜や果物はカットする前によく洗い水を切り、しっかりと塩揉みをして30分ほど置いておく。

冷ました研ぎ汁に上新粉を大さじ2杯。塩・砂糖・お酢を好みで加えても良い。(我が家はお酢を少量加える。)生のニンニクスライスをひと掛け投入し全体を馴染ませる。

塩揉みした野菜は、出てきた水分と一緒に研ぎ汁に加える。フルーツは塩揉みせず、そのまま食べ易い大きさにカットし、お好みで鷹の爪も浸ける。

水キムチ作りレシピ、りんごと漬け込む

夏場で1日、冬場だと2〜3日程常温で風通しの良い場所へ保管する。表面にプツプツと泡が立ってくれば食べ頃だ。冷蔵庫で冷やし、お子様も楽しめるムルキムチの完成である。

社会人として親元を離れ、初めての都会暮らし。きゅうり好きな私に、母はたくさんのムルキムチを送ってくれた。電話で御礼を伝える私に『汁まで全部飲むんだよ。栄養ドリンクと変わらないんだからね!』と、力強く応えてくれた甘酸っぱい想い出の味。

ムルキムチは、漬け汁こそ最大の栄養源。一滴残らず召し上がって頂きたい。

ピクルス程には酸っぱくなく、寧ろサッパリと食べられるこの韓国料理。是非、新しい生活様式に取り入れてみては如何だろうか。

※編集部注:食欲が減退しがちな夏場にもってこいのムルキムチですが、食中毒が多い季節には特に、保管する容器はしっかり消毒し、おかしな匂いがしないかご注意ください。

ムルキムチ素麺

残暑厳しいこの季節に、胃への負担も優しい『ムルキムチ素麺』もご紹介。

先述したムルキムチを、素麺1束に対してお玉一杯汁ごと付け汁にする。

麺つゆをお好みの加減加えれば、食欲が減退しがちな季節や、軽いお夜食としてもとてもお勧めの食べ方である。口の中から胃の中まで、スーッと爽快になる為、くれぐれも食べ過ぎには要注意!

WRITER Taishi Joh

沖縄にルーツを持つ父親と、韓国人の母との間に産まれ、幼い頃から日本食とは一風変わった食卓で育ちました。
転勤族の父親に付いて、全国津々浦々に移り住み、グルメな母親の影響で週に一度は外食をしていました。
それでもやはり、一番好きな食事は母親の手作りです。母も小まめに料理を作り、夕飯の家族一緒の団欒はかけがえのない想い出です。
今でも月に一度の頻度で、田舎の特産品や母親手作りの常備菜が届きます。
そんな私が、もう永住するしかないと決めた大好きな街、金沢。
其処から全国、ひいては全世界に向けて食のあり方を発信することが出来る私たちの会社を誇りに思い、末端ながらお仕事出来る喜び…と、美味しい賄いを噛み締めている毎日です。