出版にたずさわることから社会に出て、映像も含めた電子メディア、ネットメディア、そして人が集まる店舗もそのひとつとして、さまざまなメディアに関わって来ました。しかしメディアというものは良いものも悪いものも伝達していきます。 そして「食」は最終系で人の原点のメディアだと思います。人と人の間に歴史を伝え、国境や民族を超えた部分を違いも含めて理解することができるのが「食」というメディアです。それは伝達手段であり、情報そのものです。誰かだけの利益のためにあってはいけない、誰もが正しく受け取り理解できなければならないものです。この壮大で終わることのない「食」という情報を実体験を通してどうやって伝えて行くか。新しい視点を持ったクリエーターたちを中心に丁寧にカタチにして行きたいと思います。
サントリーが寿屋時代、1956年(昭和31年)から出していた広報誌「洋酒天国」をたまたま見つけた。手元にあるのは昭和33年のものと38年のものだが、執筆者のレベルも高い。1963年まで発行され、2万部から始まり一時は20万部を誇った。 とは言え、高度成長期に突入する時代だけに、いまではかなり隅っこに……