出版にたずさわることから社会に出て、映像も含めた電子メディア、ネットメディア、そして人が集まる店舗もそのひとつとして、さまざまなメディアに関わって来ました。しかしメディアというものは良いものも悪いものも伝達していきます。 そして「食」は最終系で人の原点のメディアだと思います。人と人の間に歴史を伝え、国境や民族を超えた部分を違いも含めて理解することができるのが「食」というメディアです。それは伝達手段であり、情報そのものです。誰かだけの利益のためにあってはいけない、誰もが正しく受け取り理解できなければならないものです。この壮大で終わることのない「食」という情報を実体験を通してどうやって伝えて行くか。新しい視点を持ったクリエーターたちを中心に丁寧にカタチにして行きたいと思います。
書名:食べたくなる本 著者:三浦哲哉 発行所:みすず書房 発行年:2020年 著者・三浦哲哉氏は映画批評家および研究家でもあり大学で表象文化論を教えている。2020年にはLAに一年ほど住んでいたらしい。小説群像にLAフード・ダイアリーという連載をしていた。 著者は最初に料理書に惹かれる理由をあげてい……