2019.12.24

クリスマスとハンバーガー

クリスマスリース

今年38歳酉年な私の中学時代の思い出です。

M先生という数学教師がいました。

M先生は馬主で儲かっており、銀行を信用しないという理由から口座を持たず常に尋常じゃない量の札束をポケットに入れ持ち歩いているような先生でした。

そんなM先生が大っ嫌いだったものがクリスマス。
正確にはクリスマスに浮かれる人々です。

「キリスト教の人はいいんだって。それ以外の奴らには関係ないんだから浮かれるんじゃないって。知らん昔のおっさん祝うなら先生は近所の林さんの誕生日祝うからね!林さんを盛大に祝うよ先生は!!!」

授業中に真剣に怒鳴られた事を鮮明に覚えています。

どれぐらい真剣だったのかというと、クリスマス当日にジングルベール♪と廊下で歌っていたT君とI君がてめーらの宗教は何教だ!!!?とボッコボコにされたぐらい真剣でした。

あともう一つこだわっていたのが年賀状。
明けてもないのに明けましておめでとうで実際はあったかいところでぬくぬくしてるって人をバカにしてんのかって!年賀状書きたかったらきちんと明けてから気持ちを込めて書けって!と怒鳴っていたのを思い出します。

そんなM先生は3年次にバスケ部の顧問となります。

思想の強すぎるM先生の練習はどれだけスパルタなのかと震えていましたが、意外にも親切丁寧で優しく、また校則で買い食いが禁止されていたにも関わらず他校での練習試合の帰りには必ず

「キャプテン。これで帰り皆でマクドナルドでも食べなさい。」

と万札を託すような指導方針でした。

今なら完全にアウト、当時で考えても公になれば問題となりそうなものですが、不思議と私の周りには殴られた当人達を含めM先生を悪く言う人はいませんでした。何より私がそうだったようにあのマクドナルドの美味しさは今でも忘れられません。

年々食べる機会は減っていくものの、部活の終わりに堂々とマックを買い食い出来る喜びは思春期の男子にはたまらないものでした。

卒業してから20年以上経った今でも、毎年クリスマスが近づくと一度は思い出すM先生の思い出です。 

歳を重ねるにつれしみじみと思うのですが、私の母は料理が得意ではなかったと思います。手抜きをするわけでもなく、特別に凝るわけでもない母の手料理。それでももし死ぬ前に何が食べたいか?という質問をされたら、私は即こう答えます。
母の豚の生姜焼きです。