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2026年2月27日 金沢・片町A__RESTAURANTは『EAT AID』を開催しました。『令和6年能登半島地震』が起きた同月に緊急開催されたチャリティ・イベントから5回目となります。
『EAT AID』は、令和6年能登半島地震の復興支援に端を発し掲げられた、チャリティ・イベントや活動のためのテーマ、スローガンおよびタイトルです。
『EAT AID』には、被災当時、被害の少なかった場所でも控えめになりがちだった外食を元のように戻し、金沢の食を支える供給地であった能登の食材を飲食店で利用したり購入することで「飲んで、食べて」支援しようという意味が込められています。株式会社OPENSAUCEと同社が運営するA___RESTAURANT(ア・レストラン)が、2024年1月27日の復興支援イベント告知のために同年1月24日に初めて使用しました。
緊急開催された2024年第1回についで、翌月2月にはアメリカのミシュラン店を含む名店から参加した5人のシェフとともに第2回が開催されています。
さらに2024年10月には三つ星レストラン『ロワゾー・デュ・フランス』の料理長、ブランシュ・ロワゾー氏を迎え、被災した『輪島 ねぶた温泉 海游 能登の庄』、『日本料理 銭屋』『A___RESTAURANT』のシェフによる第3回『EAT AID』特別コラボ・ディナーも行いました(※ロワゾー氏のRIFFの記事)。この時は、17時からの第一部では、被災し避難生活を送っている小中学生を招待してエールを贈ろうと、親子31名での特別ディナーが行われています。そこには避難で離れている親子での久々の外食など、食を通しての感慨深い光景がありました。
同じく11月には、被災した『奥能登むぎ焼酎 ちょんがりぶし』の、石川県唯一の焼酎蔵「日本発酵化成」三代目蔵元・藤野裕子さんを招いて、トークを交えての第4回『EAT AID』が開催されました。倒れた貯蔵タンクの写真などを見て、改めて被害の大きさ、元に戻るための手はずの複雑さを知り、石川の酒蔵復興への意識が高まりました。
この他に、地震発生の翌月に、『EAT AID 』能登半島地震復興支援・A___RESTAURANT店舗貸出しプロジェクトの第一回企画として2夜連続で、被災し営業ができなくなった− 輪島 ねぶた温泉『海游 能登の庄』− のディナーを開催。店の復活と能登の復興を願う古くからの常連の方々など、多くのゲストで満席となりました。避難で散りじりとなっていた料理人、スタッフとゲストが無事を確かめ合う場面が多く見られ、感動のディナーとなりました。
また、6月22日には、被災した輪島『中浦屋』とA___RESTAURANTによる、奇跡の丸柚餅子を使用した特別なコラボレーションディナーも開催されています。
当時、地震発生から1年近く過ぎ、つぎつぎと被災状況が判明していく中で、<復興には膨大な時間がかかる。『EAT AID』の活動を絶やしてはいけない>という認識が深まっていきました。

アメリカからのゲストシェフ再び来沢
そして今回、再びアメリカを拠点に活躍する5人のゲストシェフがやって来てくれました。メンバーを紹介しましょう。すでに人気店の共同オーナーであるシェフから、名店のエグゼクティブ・シェフなどアメリカのレストランの今を創るトップ・シェフたちです。(所属レストラン名が公式サイトにリンクしています)
Roberto Chavez
Nobu Malibu にてスーシェフを務める。日本食とグローバルな感性を融合させた料理を得意とする。

Mindy Ling
Café Carmellini のエグゼクティブ・スーシェフ。繊細さと力強さを併せ持つモダンな料理で注目を集める。

Fiona McCabe
Lola’ s にてスーシェフとして活躍。素材の魅力を引き出す、洗練されたアプローチが持ち味。

Adam Joseph Ritter
Bûcheron のシェフ兼共同オーナー。フランス料理をベースにした、温かみのある料理を手がける。

Mark Yu
ニューヨークの 53 Restaurant にてエグゼクティブシェフを務める。アジアと西洋の要素を融合させた、独自のスタイルで評価を得ている。

ジャパニーズ・トラディショナル&ペルー、フレンチ、コンテンポラリー・アジアン、NYスタイル・イタリアン&フレンチなど、それぞれのシェフがそれぞれのバックグランドや感性を活かした作り上げた料理が、シェフのプロフィールとともに、通常はA__RESTAURANTの6席限定のコース料理で使われているオープンキッチンのカウンターに並べられました。
来場したゲストは新しいディッシュが並ぶと、好みのものを見つけてチケットと交換。シェフと直接話をするゲストも多く、普段のレストランでは楽しめない体験です。


協賛企業や参加者がいてこそ継続できる『EAT AID』
チャリティーイベントにおいて企業・メーカーの協賛・協力は大きな支えになります。そればかりではなく、特に『EAT AID』のような地元密着の支援イベントでは、告知や集客の後押しとなります。今回は次の飲食店・企業・団体が協賛しています。(正式名称略)浅田屋/甍酒蔵/金沢芽生会/金城樓/銭屋/忠村水産/つば甚/福光屋/HORITA/WINE TO STYLE(BOLLINGER、ARNOT-ROBERTS )。
能登半島復興支援として続けている『EAT AID』は、今後も永続的に続けていくために、そのつど協賛者を募るのではなく、EAT AIDの活動に協力してもらえる企業から個人の参加を呼びかけるべきかもしれません。
そしてまた、レストランでのイベントだけではなく、出かけていく『出張EAT AID』を開催してもいいでしょう。『EAT AID』号というキッチンカーがあれば、さらに活動を広げてくれることでしょう。
OPENSAUCEは創業時のコンセプト「レシピのオープンプラットフォーム」のプロジェクトをスタートさせた時に、こう考えていました。
音楽が楽譜となって受け継がれていくように、
世界中の幸せな食の記憶、情報、体験を
共通のレシピとして未来につないでいく活動。
おいしくて健康的な食のよろこびを、
世界中にシェアして行くプロジェクト。
今後の『EAT AID』はさまざまな形で<食べて、飲んで、食のよろこびをシェアして、支援!>することかもしれません。



(右)OPENSAUCE取締役・日本料理 銭屋二代目主人 髙木慎一朗


キッチンでは、ゲストシェフやキッチンメンバーが仲良く話す光景が何度も見られました。同じアメリカからやって来たと言っても、このトップシェフたち5人が、外国のレストランの一つのキッチンに集って質問しあったり談笑しているというのは、本当に奇跡的なことです。
彼らは、金沢・加賀料理を体験しに来沢し、それぞれ料亭などで研修をしてきました。たぶん、その時のことや未体験の食材や調理法などの話もしているのでしょう。
(『EAT AID』前日の研修の様子がニュースになっています。映像あり)

『EAT AID』も5回となりました。「常連」も増えて来ました。若いゲストも増えています。それに連れて、気軽に行けるだけのレストランイベントになってしまいがちです。イベントの趣旨も薄れていくかもしれません。
食の記憶、情報、体験を未来につないでいくという活動を続けるOPENSAUCE。そしてそれを実践する実験場であるA__RESTAURANTは、『EAT AID』で何をできるのか?クリエイティブとエンタテイメントを合わせて、その趣旨を持ち帰ってもらうためにもっと解像度を上げていかなければなりません。

今回の『EAT AID』も、多くのゲストから「楽しかった」「美味しかった」「続けてほしい」という声が上がっていました。参加した一人として、この日の運営にたずさわったスタッフ、ボランティアの方々、そしてアメリカから参加したシェフのみなさんに心より感謝します。
2026年第5回『EAT AID』協賛企業・団体
株式会社 浅田屋
甍酒蔵 株式会社
金沢芽生会
料亭 金城樓
日本料理 銭屋
株式会社 忠村水産
料亭 つば甚
株式会社 福光屋
HORITA(株式会社 堀田)
WINE TO STYLE株式会社(BOLLINGER、ARNOT-ROBERTS )
編集部(text : Joji Itaya) 写真:高橋俊充











