- 書名:アイスクリームの国
- 作者:アントニー・バージェス 絵:ファルビオ・テスター
- 訳:長田弘
- 発行所:みすず書房
- 発行年:2000年
原題はThe Land Where the Ice Cream Growsで、飛行船に乗って野生のアイスクリームの国へ行く話。長田弘さんが残した名訳の1冊。
アントニー・バージェスは「時計仕掛けのオレンジ」の原作者であり、詩人でもある。
扉を開くと、行ったと思われる「そこ」、つまりアイスクリームの国の絵がある。チョコ・ピーク、モンテ・ピスタチオ、アプリコット・アルプス、グレート・ストロベリーという山々の名前がついている。
アイスクリームの砂漠にはアイスクリーム・コーンが古代遺跡のように立っている…。猿の惑星のようだが、足元を舐めてみると「おいしい!」のである。アイスキャンディーの森を抜け、その先で出会ったヒト?は…
副題に「詩人の贈り物」とあるが、詩ではなく想像と妄想の贈り物だと思う。
出版にたずさわることから社会に出て、映像も含めた電子メディア、ネットメディア、そして人が集まる店舗もそのひとつとして、さまざまなメディアに関わって来ました。しかしメディアというものは良いものも悪いものも伝達していきます。 そして「食」は最終系で人の原点のメディアだと思います。人と人の間に歴史を伝え、国境や民族を超えた部分を違いも含めて理解することができるのが「食」というメディアです。それは伝達手段であり、情報そのものです。誰かだけの利益のためにあってはいけない、誰もが正しく受け取り理解できなければならないものです。この壮大で終わることのない「食」という情報を実体験を通してどうやって伝えて行くか。新しい視点を持ったクリエーターたちを中心に丁寧にカタチにして行きたいと思います。