出版にたずさわることから社会に出て、映像も含めた電子メディア、ネットメディア、そして人が集まる店舗もそのひとつとして、さまざまなメディアに関わって来ました。しかしメディアというものは良いものも悪いものも伝達していきます。 そして「食」は最終系で人の原点のメディアだと思います。人と人の間に歴史を伝え、国境や民族を超えた部分を違いも含めて理解することができるのが「食」というメディアです。それは伝達手段であり、情報そのものです。誰かだけの利益のためにあってはいけない、誰もが正しく受け取り理解できなければならないものです。この壮大で終わることのない「食」という情報を実体験を通してどうやって伝えて行くか。新しい視点を持ったクリエーターたちを中心に丁寧にカタチにして行きたいと思います。
書名:土を喰らう十二カ月 著者:中江裕司 発行所:朝日新聞出版社 発行年:2022年 『土を喰らう十二カ月』は2022年11月に公開された映画と同名の中江裕司監督自身による小説である。映画の中の料理は土井善晴氏が担当した。 原案は水上勉 『土を喰う日々 ―わが精進十二ヵ月―(新潮文庫 1982年初版……