出版にたずさわることから社会に出て、映像も含めた電子メディア、ネットメディア、そして人が集まる店舗もそのひとつとして、さまざまなメディアに関わって来ました。しかしメディアというものは良いものも悪いものも伝達していきます。 そして「食」は最終系で人の原点のメディアだと思います。人と人の間に歴史を伝え、国境や民族を超えた部分を違いも含めて理解することができるのが「食」というメディアです。それは伝達手段であり、情報そのものです。誰かだけの利益のためにあってはいけない、誰もが正しく受け取り理解できなければならないものです。この壮大で終わることのない「食」という情報を実体験を通してどうやって伝えて行くか。新しい視点を持ったクリエーターたちを中心に丁寧にカタチにして行きたいと思います。
書名:文士の食卓 編者: 浦西和彦 発行所:中央公論新社 発行年:初版2018年 彼らは面倒な食いしん坊だったという、本人の妻、息子、親族らが書いたものをまとめたもの。編集には大変な労力が必要だったろう。 彼らとは、森鷗外、石川啄木、正岡子規、谷崎潤一郎、夏目漱石、室生犀星、岩波茂雄、久……