出版にたずさわることから社会に出て、映像も含めた電子メディア、ネットメディア、そして人が集まる店舗もそのひとつとして、さまざまなメディアに関わって来ました。しかしメディアというものは良いものも悪いものも伝達していきます。 そして「食」は最終系で人の原点のメディアだと思います。人と人の間に歴史を伝え、国境や民族を超えた部分を違いも含めて理解することができるのが「食」というメディアです。それは伝達手段であり、情報そのものです。誰かだけの利益のためにあってはいけない、誰もが正しく受け取り理解できなければならないものです。この壮大で終わることのない「食」という情報を実体験を通してどうやって伝えて行くか。新しい視点を持ったクリエーターたちを中心に丁寧にカタチにして行きたいと思います。
書名:スープの国のお姫様 著者:樋口直哉 発行所:小学館文庫 発行年:2017年文庫本発行(単行本初版2014年) 樋口直哉はフランス料理の出張料理人である。兼、小説家である。安部公房『箱男』へのオマージュ作品「さよなら アメリカ」で群像新人文学賞受賞、芥川賞候補にもなった。なので、どっちが本業かは……