2021.01.26

『手作りコチュジャン オカンの韓国家庭料理VOL.6』

手作りコチュジャン

韓国には日本と同じ様にお味噌の文化がある。その味噌は「メジュ」と言う、大豆を茹でてから潰し、発酵させ、レンガの様な形に整形して乾燥させたものを材料として用いる。この「メジュ」が、一般的なコチュジャン(辛味噌)やテンジャン(韓国味噌)、カンジャン(醤油)等の原料となる。

さて、僕のオカンのコチュジャンはハッキリ言って美味い!!
本場のメジュは手に入らない為、オカンは日本の合わせ味噌をオリジナルブレンドし「コチュ」=唐辛子を好みの辛さで加える。醤油、みりん、料理酒等で「ジャン」=醬のベースを作れば、ここから色んな味に派生出来る。

ナッツ類を入れて味に香ばしさをプラスしたり、さきいかや煮干しを細かくカットしてより発酵を進めたり、焼いたひき肉を加えてコクを出したり、勿論ニンニクも欠かせない。

もの心が付いた頃から、当たり前に食卓に並んでいたこのコチュジャン。僕が学生時分から、オカンによって届けられる“ふるさと定期便”でも味わっていた為、今ではしっかりと僕の身体に染み付いている。

ふるさと定期便で届く、簡単キムチの素

この手作りコチュジャンは、韓国では家庭の味そのもの。各家庭の作り方や配合具合も様々で、千差万別だ。
合わせ味噌をベースに、ニンニク・生姜・ごま・ごま油はマスト。ここに、季節によって玉ねぎ・りんご・梨の摺り下ろし、先に述べた「ジャン」や、最近では白ワインも加えるらしい。(韓国では水飴を使うが、オカンは使わない。)
そして欠かせない大量の粉唐辛子!!コチュ(唐辛子)の本領発揮なのである。

韓国の粉唐辛子は色鮮やかな朱色をしているが、日本の一味ほどは辛くなく、寧ろ甘味もある為、戸惑う事なく大量に使う事が大切である。

そのままお湯に溶いて飲むだけで、色んな味わいが口いっぱいに広がるコチュジャン。我が家では純豆腐にしたり、チゲ(鍋)の素やタッカルビの素にしたり、ユッケのタレやコチュジャンマヨネーズとして野菜スティックのお供にしたり、アレンジは無限大だ。

最近、私はこのコチュジャンをベースに『キムチの素』を作りリクエストに応じて様々なキムチを作る。
例えば、数の子や山芋・長ネギ(パジョリ)や大根(カクテキ)といった具合だ。

数の子キムチ
白菜キムチ

これと言った決まり事はなく、各家庭に続いているこのコチュジャンの味。

我が家の味も、いつまでも大切にしていきたいと思います♡

WRITER Taishi Joh

沖縄にルーツを持つ父親と、韓国人の母との間に産まれ、幼い頃から日本食とは一風変わった食卓で育ちました。
転勤族の父親に付いて、全国津々浦々に移り住み、グルメな母親の影響で週に一度は外食をしていました。
それでもやはり、一番好きな食事は母親の手作りです。母も小まめに料理を作り、夕飯の家族一緒の団欒はかけがえのない想い出です。
今でも月に一度の頻度で、田舎の特産品や母親手作りの常備菜が届きます。
そんな私が、もう永住するしかないと決めた大好きな街、金沢。
其処から全国、ひいては全世界に向けて食のあり方を発信することが出来る私たちの会社を誇りに思い、末端ながらお仕事出来る喜び…と、美味しい賄いを噛み締めている毎日です。