2021.10.31

家庭料理技能検定 公式ガイド5級【私の食のオススメ本】

家庭料理技能検定の公式ガイド

  • 書名:家庭料理技能検定 公式ガイド5級
  • 監修:香川明夫(家庭料理技能検定会長)
  • 発行所:女子栄養大学出版部
  • 発行年:2017年初版

『家庭料理技能検定』は文部科学省後援事業として行われている。農林水産省厚生労働省全日本中学校長会全国連合小学校長会全国学校栄養士協議会も後援している。 

このBOOKコーナーで「料理をすることは生きること」という『最初に読む料理本』を紹介しているが、この公式ガイドは検定を受けずとも読むだけで「食べることは、生きること」ということが学べる。

初級である『家庭料理技能検定5級』の公式ガイドを小中学生のいる家庭に備えて欲しいと思う。いやもっと小さな子どもでも良い。親が食べることを躾としてなんとなく教えてしまうのと、このガイドにそって伝えるのでは残るものが違ってくるのだろうと思う。

家庭料理技能検定 公式ガイド5級
日常的には一汁二菜でもよい、とある

初級5級では、<私たちはなぜ食べるのか>からはじまり、日本の食文化、伝統的な食事。そして<元気になる食事とは何か><生活リズム><献立><調理と衛生>と続き、<材料について>では、主食・主菜・副菜・飲み物・加工食品・食品表示と調味料を学ぶ。

包丁の使い方、皮のむきかたなどの実技もイラストで解説され、最後は日常食へと進むのだが、これも主食・出汁・汁物・主菜・副菜に<その他一品>まで付く。さらに最後は<日本茶とおかし>・・なかなか渋い完結となる。

文字で説明すると堅苦しいが、やさしいイラストと簡潔なテキストで、毎日絵本の代わりに呼んでも良いのではと思うくらいだ。

親御さんにはお子さんと毎日、食育のために、項目をひとつずつ読んだり考えたりすることおすすめする。そのうち検定も受けたくなることだろう。

WRITER Joji Itaya

出版にたずさわることから社会に出て、映像も含めた電子メディア、ネットメディア、そして人が集まる店舗もそのひとつとして、さまざまなメディアに関わって来ました。しかしメディアというものは良いものも悪いものも伝達していきます。 そして「食」は最終系で人の原点のメディアだと思います。人と人の間に歴史を伝え、国境や民族を超えた部分を違いも含めて理解することができるのが「食」というメディアです。それは伝達手段であり、情報そのものです。誰かだけの利益のためにあってはいけない、誰もが正しく受け取り理解できなければならないものです。この壮大で終わることのない「食」という情報を実体験を通してどうやって伝えて行くか。新しい視点を持ったクリエーターたちを中心に丁寧にカタチにして行きたいと思います。