出版にたずさわることから社会に出て、映像も含めた電子メディア、ネットメディア、そして人が集まる店舗もそのひとつとして、さまざまなメディアに関わって来ました。しかしメディアというものは良いものも悪いものも伝達していきます。 そして「食」は最終系で人の原点のメディアだと思います。人と人の間に歴史を伝え、国境や民族を超えた部分を違いも含めて理解することができるのが「食」というメディアです。それは伝達手段であり、情報そのものです。誰かだけの利益のためにあってはいけない、誰もが正しく受け取り理解できなければならないものです。この壮大で終わることのない「食」という情報を実体験を通してどうやって伝えて行くか。新しい視点を持ったクリエーターたちを中心に丁寧にカタチにして行きたいと思います。
書名:別冊太陽 日本の台所一〇〇年 キッチンから愛をこめて 編集:宮崎謙士(みるきくよむ)・成合明子・金丸裕子・長井美暁 他 発行所:平凡社 発行年:2022年 3年ほど前にこの特集と同様の企画をもってたくさんの出版関係者と相談していた。残念ながら計画は頓挫したのだが、今回、別冊『太陽』が見事にまと……