出版にたずさわることから社会に出て、映像も含めた電子メディア、ネットメディア、そして人が集まる店舗もそのひとつとして、さまざまなメディアに関わって来ました。しかしメディアというものは良いものも悪いものも伝達していきます。 そして「食」は最終系で人の原点のメディアだと思います。人と人の間に歴史を伝え、国境や民族を超えた部分を違いも含めて理解することができるのが「食」というメディアです。それは伝達手段であり、情報そのものです。誰かだけの利益のためにあってはいけない、誰もが正しく受け取り理解できなければならないものです。この壮大で終わることのない「食」という情報を実体験を通してどうやって伝えて行くか。新しい視点を持ったクリエーターたちを中心に丁寧にカタチにして行きたいと思います。
書名:散歩のとき何か食べたくなって 著者:池波正太郎 発行所:新潮文庫 発行年:初刷1981年 コロナ禍で読む本として上げておきたい。 この本は池波正太郎が雑誌太陽に連載したものをまとめたものだ。そしてこの本は「散歩のときに」行くべき店の紹介本ではない。池波正太郎の持続するものの美しさへの賛歌であり……