三度の飯よりタジン好き
これまで写真家として、アジア、ヨーロッパと様々な国に足を運び人々の暮らしや、何気なくも美しい光景を撮り歩いている私ですが、イタリアに次いで多く足を運んでいる国、それがモロッコ。そのエピソードはわずかながら以前、当RIFFで記事にしています。
どこの国へ行っても旅の楽しみは、なんと言ってもその国の料理ですよね。モロッコ料理と言ってもなかなかピンときませんが、とにかくスパイスの国です。クスクスにタジン、バスティラ、ケフタ、モロカンサラダ、ハリラスープ…などなど、とあまり馴染みがありませんが、食べたことあるような、なにか懐かしさする感じる料理ばかりです。
いずれもスパイスをふんだんに使いますが、特に辛い料理というわけではありません。主にクミン、パプリカ、サフランに、ハーブやイタリアンパセリ、コリアンダーなど。具材にはレモンの塩漬けや、デーツ、干しぶどう、アーモンドなどを用いるので、どちらかと言うとヘルシーな印象です。
私の食べたモロッコ料理を少し紹介します。
などなど、まだまだ奥は深いですがとにかくどれも美味しく体にやさしく染み込んでいくのです。中でも一番好きなのはなんと言ってもタジン料理です。実際のところ、タジンって言ってもとんがり帽子のような土鍋の名前なので、タジン鍋を使った料理はすべてタジンなのです(きっと)。入れる具材もチキンや、羊、ビーフ、ミートボール、エビ、うさぎと様々あって、とにかく朝昼晩とタジン鍋を食べても飽きません。モロッコ人もきっとそうです。まさに三度の飯よりタジンというわけです。
忘れられない味、チキン・タジンを我が家で
前置きは長くなりましたが、ここから本題です。この愛してやまないモロッコのタジンを日本でも食べたいという熱い思いが高まり、もう我が家で作りました。参考にしたのは、モロッコ・マラケシュ在住の料理人、モハメドさんのレシピです。もうこれは本場のモロッコのチキン・タジンなのです。
作り方はとにかく簡単です。ご紹介しますね。
具材はチキン。骨のまま切ります。あと玉ねぎなどの野菜を。
- 鶏肉
- 玉ねぎなどの野菜
そして必要なのがたくさんのスパイス類です。
- ジンジャーパウダー
- ブラックペッパー
- 塩
- ニンニク
- コリアンダー
- 15種類のミックススパイス などなど
「15種類のミックススパイス」というのが謎ですが、ターメリック、シナモン、クミン、サフラン、パプリカ、カイエン、アニスなどなど、手に入るものは何でもいいでしょう。ここは惜しまず大量に使います。
もうひとつ大事なのがレモンの塩漬けです。モロッコではどんな料理にでも使うレモンの塩漬けですが、日本の家庭にはありませんよね….。とりあえずレモンをざっくり切って塩をからめましょう。
- レモンの塩漬け
調理は簡単、オリーブオイルやベジタブルオイルなどをかけ揉み馴染ませます。
とにかく、この揉み馴染ませるのが大切な仕事です。というか作業はこれくらいしかありません。しっかりと肉、野菜に味を染み込ませましょう。
いい感じで揉み込まれましたね~。この時点でもう美味しさが伝わってきます。たまらない香りです。真ん中に寄せてこの上にナスやズッキーニ、人参、じゃがいもなどお好みの野菜を乗せていきます。
素敵に盛り付けれたら蓋をしてじっくり煮込みます。
もちろん、煮込むと言っても水は入れていません。タジン鍋の特徴として、
とんがり帽子の蓋に水滴がたまり、鍋に戻り循環を繰り返し蒸し上げるという料理となります。なので油の量も控えられとってもヘルシーなのです。さらにこの循環が繰り返されることで、野菜と肉の旨味がじわじわと出て、もうキッチン中がいい香りに包まれていきます。
ここで出来上がるまで、少しモロッコの台所。市場事情を少し。
モロッコの人々が買い物に行く市場を「スーク」と呼びます。マラケシュやフェズなど大きな町にはそれぞれ大小のスークがありますが、道沿いに点在する小さな集落にはそういったスークはありません。
で、そんなところに住んでいる人々の買い物はと言うと、曜日ごとに開催されている移動スークに足を運ぶのです。スークが開催される日には、あちこちからロバに跨がり人々が集まって来ます。日用品から果物、肉や魚といった生鮮食品や干物。さらに鶏や羊、牛と言った大物まで。牛や羊なんて言うのは一頭買いなのでしょうか。大きな荷物をロバに積み帰る人々は笑顔で、また印象的でした。あと露天でいただいた羊肉の串焼きは忘れられません。
と、そうこうしているうちに完成です。
ジャジャーーーン!
もう香りがやばい感じです。めちゃくちゃ美味そう!!
モロッコでは「ホブス」って硬めの丸いパンをちぎって挟んでは食べます。パンに染み込んだスパイスと肉、野菜の旨みがたまりません。ホブスはまず手に入らないのでバケットなどハード系のパンでいいと思います。
いや~、この味はまさにモロッコで食べたタジンです。我ながらすごく良くできました。自画自賛!美味しい!!(と言いながら、かなりの部分で妻にアシストいただいています…(笑)
ぜひ皆様のご家庭でお試しください!
北アフリカ・モロッコは、日本からヨーロッパ経由でも丸一日かかる遥か彼方の異国です。しかしその人々は日本の和の心にも通じる母国とも感じさせる素晴らしい国です。
私が、三度に渡り足を運んで捉えたモロッコの美しい光景や人々の表情を、旅のエピソードと共に写真集にしています。料理レシピは載っていませんが、きっとモロッコが好きになって旅した気分に浸れることともいます。写真集「SNAPS MOROCCO」ぜひご覧ください。
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