2025.10.16

今料理長×四十萬谷本舗
「おうちで発酵レストラン」第一弾発売開始!

2025年10月3日、金沢の伝統発酵食品の老舗「株式会社四十萬谷本舗(しじまやほんぽ)」より簡単レンジ調理の一品『おうちで発酵レストラン』が発売された。この商品はプロの技で発酵のうまみを活かした製品で、第一弾は『鱈の蒸し焼き「オマール海老発酵ソース」仕立て』と『鮭の蒸し焼き「糀ポテトソース」仕立て』。これは「四十萬谷本舗」と金沢・A___RRESTAURANT(ア・レストラン運営・OPENSAUCE)の料理長で「金澤食藝研究所」副所長の今英之との共同開発によるものだ。

※記事中、下線がある文字は関連情報にリンクされています。

A___RRESTAURANT 今英之料理長

近年、「発酵」は健康や美容という観点からも注目を浴びているが、1875年、明治8年に創業、『かぶら寿し』や『大根寿し』をはじめ、地域に根ざした発酵食品を150年にわたって製造販売してきたのが四十萬谷本舗だ。

しかし、地域の発酵にはまだまだ知られていない大きなポテンシャルがあるとも感じていた四十萬谷本舗は、注目に反比例して「<地域の発酵食品>と<現代のお客様の生活>の距離は徐々に広がっているのではないかという危機感」も持っていた。

そんな折、今料理長が副所長を務める、地域の伝統的な食文化や新しい技術を組み合わせるなど、新しい食の可能性を追求している「金澤食藝研究所」での出会いがきっかけとなり今料理長との共同開発がスタート。

具体的な商品化には『四十萬谷本舗』と今料理長率いるイノベーティブレストラン『A___RESTAURANT』がタッグを組み、「業種を超えたコラボレーションで地域の発酵の魅力に光を当て、皆様に楽しんでいただきたい」という両者の思いが形になった。

第一弾の開発も終盤を迎えていた6月。四十万谷本舗と金沢の酒・味噌の発酵の老舗3社が一堂に会し「A 発酵 RESTAURANT」というレストランイベントが開催された。和食をベースとし、多様な料理に精通している今料理長は、その時の本WEBメディア『RIFF』のインタビューで「発酵」についてこう答えている。

「現在、発酵は世界で注目を浴びてブームのようになっていますが、日常生活や日本料理の世界に当たり前のこととして昔から存在していましたし、活用してきました。ですから日本の食文化を支えているものに、やっと興味を持ってくれたんだなと捉えています。これは『旨み』という概念が世界的になってきて、さらに深掘りされて発酵に辿り着いたとも言えます。」」

今回第一弾が発売となった『おうちで発酵レストラン』は、食卓をレストランのようにするということではなく、「現代の暮らしに合うスタイルで“地域の発酵の魅力”を再発見・再編集」した一皿を食卓に届けることが目的である。

第一弾の商品は『鱈(たら)の蒸し焼き「オマール海老発酵ソース」仕立て』『鮭(さけ)の蒸し焼き「糀ポテトソース」仕立て』という2種類の魚とそれぞれに合わせたソースの組み合わせ。” 洋風ソースと和の発酵の出会いにより、優しく奥深い風味を実現”している。伝統的な和食をベースに、国境を超えた多様な料理を構築する今料理長の、発酵と旨みへの着眼と重ねてきた技術によって生まれたと言っても良いだろう。

鱈には、地元の酒粕と味噌を用いたオマール海老のソースが別で温める形でついている。オマール海老の芳醇で華やかさを持つ香りの中からほんのりと酒粕の香りが立ち上がり、味噌のコクが感じられる、パスタにも使えそうな濃厚なソースだ。
一方、銀鮭には、先に書いた通り、かぶら寿しのための漬け床の糀を使用したクリーミーなポテトソースが付く。こどもも楽しめる糀とポテトが作り出すまろやかでやさしい甘さがあるソースは、糀の香りが食欲をそそる。

このソースについて「実は、四十萬谷本舗さんの方から、かぶら寿しに使うかぶら漬けの<漬け床>の糀がどうしても余ってしまうので新しい何かに使えたら、という相談がありました。それで、今回その糀を思い切りソースに入れて煮溶かしているのですが、まずは、使えるものを捨てないで新しいものにしたいということに自分も共感してメニュー開発がスタートしたということなんです」と今料理長は話している。

『おうちで発酵レストラン』には、単なる発酵食の利用だけではなく、四十萬谷本舗と今料理長の「素材を活かしきりたい」という思いや姿勢が反映されている。

ちなみにどちらのソースもたっぷり目のなので、付属の国産小麦を100%のパン(冷凍)で最後までソースを堪能できる。

この、発酵を仲介に和洋が融合したソースで食べる鱈と銀鮭は、ふっくらと蒸し焼きにされ軽い焼き目がついていて、ソテーされたものとは違い、筆者は日本食寄りに感じた。すなわちこれは、白いご飯を主食としてきた、昔ながらの和洋混合の日本の食卓にマッチするものだという認識を持ったのだ。

このことについて今料理長は「バターや生クリームをたくさん使ってソースをリッチに仕上げるというのではなく、酒粕の香りを活かすなどして、醤油と味醂でまとめています。出汁も使っていて、より日本人に合うというか、日本の食卓には合う味になっていると思います」と述べている。

もちろん、洋風ソースと和の発酵の出会いによる新しい味に、ファンが拡大しているナチュールワインやクラフトジン、クラフトSAKEを合わせて特別な日の食卓を演出するのも良いだろう。

『おうちで発酵レストラン』がこれからの日本の食卓を健康的に楽しませてくれるのは確かだ。第二弾、第三弾とシリーズ化することを期待したい。


「おうちで発酵レストランセット(冷凍)
・『鱈(たら)の蒸し焼き「オマール海老発酵ソース」仕立て』
・『鮭(さけ)の蒸し焼き「糀ポテトソース」仕立て』
上記2種+パン 3,186円(税込)

公式オンラインショップ
https://www.kabura.jp/products/detail/412
販売場所:四十萬谷本舗 各店舗
https://www.kabura.jp/contents/shoplist
賞味期限:冷凍120日
アレルギー表示:小麦、えび、大豆、鶏肉、乳成分、さけ



text : Joji Itaya(RIFF編集部)