出版にたずさわることから社会に出て、映像も含めた電子メディア、ネットメディア、そして人が集まる店舗もそのひとつとして、さまざまなメディアに関わって来ました。しかしメディアというものは良いものも悪いものも伝達していきます。 そして「食」は最終系で人の原点のメディアだと思います。人と人の間に歴史を伝え、国境や民族を超えた部分を違いも含めて理解することができるのが「食」というメディアです。それは伝達手段であり、情報そのものです。誰かだけの利益のためにあってはいけない、誰もが正しく受け取り理解できなければならないものです。この壮大で終わることのない「食」という情報を実体験を通してどうやって伝えて行くか。新しい視点を持ったクリエーターたちを中心に丁寧にカタチにして行きたいと思います。
書名:文士料理入門 著者: 狩野かおり・狩野俊 発行所:角川書店 発行年:2010年 東京・高円寺でコクテイル書房という古書とお酒の店を営む狩野夫婦が著者だ。この店のことは狩野俊「高円寺 古本酒場物語」に詳しい。 本好きの人間が、文士たちが作り、食べ、作品に描いた料理というものが再現された……