出版にたずさわることから社会に出て、映像も含めた電子メディア、ネットメディア、そして人が集まる店舗もそのひとつとして、さまざまなメディアに関わって来ました。しかしメディアというものは良いものも悪いものも伝達していきます。 そして「食」は最終系で人の原点のメディアだと思います。人と人の間に歴史を伝え、国境や民族を超えた部分を違いも含めて理解することができるのが「食」というメディアです。それは伝達手段であり、情報そのものです。誰かだけの利益のためにあってはいけない、誰もが正しく受け取り理解できなければならないものです。この壮大で終わることのない「食」という情報を実体験を通してどうやって伝えて行くか。新しい視点を持ったクリエーターたちを中心に丁寧にカタチにして行きたいと思います。
書名:文人悪食 著者:嵐山光三郎 発行所:新潮文庫 発行年:2000年 ピーナツ好きの夏目漱石は消化が悪く胃腸に悪いピーナツの砂糖まぶしを夫人の禁止令を無視して隠れて食べ続けて死んだ。 主人公の淋しさと苦悶を書く島崎藤村は料理に対して冷淡で、まずい料理をいかにまずく書くかの天才だった。結婚式の葡萄酒……