2019.08.23

原宿のチャンポン麺

原宿のとんちゃん通りといえば、以前「ウニソース」の話で書いた通りだが、私は三年に一度ぐらいのペースで急に「チャンポン麺」が食べたくなる。

そんなに好きというわけでもないし、普段は忘れている食べ物である。

要するに、いくつかの偶然が重なるのが、三年に一度ぐらいのタイミングということなのだろう。

今回もそうだった。

お昼頃に代官山で打合せが終わり、次の会議の場所が原宿とんちゃん通りで、ちょうど1時間ぐらい空いている。何を食べようか、そうだ、とんちゃん通りだし“昭和軒”でチャンポン麺を食べよう。

昭和軒がいつからあるのか知らないが、私が中学生の頃には既にあったので、何十年も前からあるのだろう。

昭和軒のチャンポン麺は、なにしろ”美味すぎない“のが良い。

多くのチャンポン麺は具材が豪勢だ。

もちろん昭和軒のチャンポン麺の具材も同様で、キャベツ、もやし、かまぼこ、さつま揚げ、キクラゲ、イカ、豚肉、人参、アサリ、たっぷりと入っている。そしてサービスで半ライスをつけてもらうことも出来る。

参考までに私が編み出した、これの食べ方について解説したいと思う。

まずは麺の上にある具材に、テーブルの上に置かれた調味料「ラー油、醤油、酢、白胡椒」の中から、ラー油と醤油を使う。

これをターゲットした肉や野菜に、ほんの少しずつ垂らして、ごはんと一緒に食べるのだ。こうすることで「具材」は立派な「おかず」へと変化する。

この行為を繰り返して、具材なんか全部食っちまえば良い。

横に添えられた「たくあん」と「搾菜」が華を添える。

するといつのまにかドンブリの中は乳化した白濁スープと麺のみのシンプルなラーメンになっている。

ここでいよいよ白胡椒の登場である。

このシンプルなラーメンには白胡椒がすこぶるマッチする。

たっぷりと振りかけて頂きたい。なんならひと瓶使ってしまっても良いぐらいだ。

ズズーッと一気にすすって食べてしまうのがコツだ。

何故なら、最初のくだりで麺が若干のび始めているからである。

そして一気に食べるので、驚くほど汗が噴き出す。

今日のように暑い日にはもうたまったもんじゃない。が、良い汗である。

一生付き合いたくなるようなラーメンやカレーなんてのは「不味からず、美味すぎず」が丁度良いバランスなのではないかと思う。

『耕作』『料理』『食す』という素朴でありながら洗練された大切な文化は、クリエイティブで多様性があり、未来へ紡ぐリレーのようなものだ。 風土に根付いた食文化から創造的な美食まで、そこには様々なストーリーがある。北大路魯山人は著書の味覚馬鹿で「これほど深い、これほどに知らねばならない味覚の世界のあることを銘記せよ」と説いた。『食の知』は、誰もが自由に手にして行動することが出来るべきだと私達は信じている。OPENSAUCEは、命の中心にある「食」を探求し、次世代へ正しく伝承することで、より豊かな未来を創造して行きたい。